世の中には、本当にあっけない別れというものが存在する。
「別れよう」
「そうだね…」
別れ際に涙もなく、言い訳や追及もなく、それまでの交際が嘘だったかのようにあっけなく別れるカップル。そんな経験を自分がしてしまうと、「私の恋愛はその程度の価値しかなかったの?」と疑わずにはいられない。
あまりにもあっけない別れ方をしたら、色々な疑問を持つことがあるはずだ。
そこで今回は「あっけない別れ方」をテーマに、「別れる時は、愛情がないからあっけないものなのか」を考えていきたい。
カップルはなぜあっけなく別れてしまうのか、その恋愛の価値と原因について角度を変えながら考えていき、あなたの疑問をはっきりさせたい。
あっけなく別れたカップルは、その程度の「気持ち」だったのか
付き合っている恋人とあっけない別れ方をしたら、誰でもまず思うのが「自分の恋愛はその程度の価値しかなかったのか」ということ。
恋の終わりがあっけないと「彼氏(彼女)は、その程度の気持ちしかなかったんだ」という疑いとショックの入り混じった複雑な感情を抱く。
しかし、あっけなく別れるカップルのお互いの気持ちは、「別れ方や別れる時の様子」だけを取って分かったつもりになるのは良くない。
色々なことを考えたのに最終的に言葉にしたことが「別れよう」というたった4文字に凝縮されていたかもしれないし、相手はあなたからの言葉をきっかけに深い話をするつもりだったかもしれない。
別れの言葉だけで「その程度の愛情しかない」と思うのは、複雑な恋愛感情を踏まえていないのである。
体験談:別れ際に素直になれないことから呆気ない別れ方をした経験
私の経験でも、あっけない別れ方をした時に「その程度の関係だった」と言えるものがあった一方で、「素直になれなかった」ことが原因で、深い関係性を築いた恋人とあっけなく別れたことの方が多かった。
恋愛は気持ちとは裏腹な言葉が出ることもあるし、嘘もつく。
「優しい嘘」のように、彼女や彼氏を思いやるからこそ言えないことや言わないこともあり、現実の恋愛では全く嘘のない恋愛はむしろ少ない。誤解を期待するかのような表現をしてしまうことくらいは、誰でもあるのではないだろうか?
この点まで踏まえると、あっけない別れの主な原因は「素直になれなかったから」だ。しかも、「二人とも素直になれなかった」というパターンがあっけなく終わる恋愛ではあるあるになっている。
確かに、カップルの別れ方で一つの恋愛の価値が決まることもあると思う。何年も付き合った後に迎える「別れ」は、泥沼の修羅場になることも多く、私も経験したときはここに書きにくいエピソードができたくらいだ。
では、「あっけない別れ」と「もつれる別れ」の違いとは、どんなところにあるだろう?
カップルの別れについて、視点を変えて考えていこう。
なぜ別れがもつれるのか、あっけない別れとの違い
ここで一つの問題を解決しておこう。
「なぜ、別れがもつれるのか」を知ることであなたが体験した「あっけない別れ」の価値と原因がよりはっきりする。
別れがもつれる条件は、下の5つである。なお、多く当てはまると別れがもつれやすいが、一つの条件に合致するだけで別れがもつれる原因となる。
- 別れの原因が複雑であること
- どちらか一方、又は両方が、別れを望んでいないこと(気持ちを試すために「別れよう」という場合も含む)
- 攻撃的・和解的の両面で、別れ話の会話が発展する言葉を相手に発すること
- 明らかに別れの原因が片方に寄っていること
- 自分の気持ちに素直になること
上に挙げた5つの内、もつれる別れとあっけない別れの決定的な違いは「別れ話が発展していく言葉を発すること」である。
あっけない別れを何度か私も経験しているけれど、相手を想う気持ちの有無は「別れ方の違い」として弱かった。自分が相手を好きであっても、相手が自分を好きであっても、あっけない別れは確実に存在する。
彼氏と彼女が一言ずつ言う別れ話ではあっけない別れになる
もつれる別れ方とあっけない別れ方の違いが顕著なのは、「別れ話の言葉数」だ。
彼氏と彼女が一言ずつ言って「すぐに別れ話が終わる」と別れ話はもつれようがない。
「もう別れそう。これ以上付き合っていても意味ないよ」
「…うん、そうだね。私(俺)もそう思う」
あっけない別れを簡単に表現してみたが、彼氏と彼女の一言ずつで別れが決まる場合、お互いに会話を発展させていないのが特徴だ。
上に挙げた言葉はツッコミどころもあって、会話を発展させることもできる要素を含んでいるが、カップルは一言ずつ言って別れている。これでは、「あっけない別れだった」と思っても何ら不思議ではない。
何も言わない、何も言い返さないから「呆気ない別れ方」になる
もつれる別れになり得る別れ話が、もつれずにあっけなく別れる原因になるのは、「言葉がないから」だ。
カップルがお別れをする時は、基本的に「別れ話」が最後の会話である。あっけない場合はショックもあるけれど、強い愛情を持っていたからこそ言葉がでないこともあるし、別れ話でもめるのを嫌う人は、相手の気持ちを尊重して一言で返す場合がある。
なぜなら、別れ話がもつれると傷つけ合う別れ方になるからだ。
下にその言葉がない原因を挙げるので「あっけない別れ方をした恋愛の価値」を考える際のヒントにしよう。
別れ話があっけなく終わるパターン
- お互いに別れたい、別れるべきだと思っていた場合(そもそも両想いではなくなっていた、別れる覚悟を既に決めていた)
- ショックで言葉がでなかった場合
- 素直になれず言葉が出てこなかった場合
- 別れたいという相手の意思を尊重する場合(積極的、受容的の両面がある)
- 好きじゃなくなったなら別れたいと、一瞬で別れ話に納得した場合(恋愛観)
あっけない別れの原因の主たるところは「その程度の気持ちしかなかった」という答えで良いのだと思う一方で、それほど単純に恋愛が進むかと言えばそうではないというのが経験則だ。
特に付き合いはじめの気まずさみたいなのを乗り越えずに友達に戻ろうとする場合、まるで付き合っていたのがウソだったかのような別れ方をすることもあり、「なぜ何の言葉もなかったのか」という問題は時に複雑だ。

「本当に好きだったらあっけない別れ方をしないはず」との考え方について
あっけない別れを経験すると「本当に好きだったか」を疑う。これは自分勝手かもしれないけれど「自分から振った場合」でもそうだ。振られた時はなおさらこんなことを思う。
私はいくつかの別れを経験し、この答えを次のように結論付けている。
でも、本当は発想が逆で、思いがけずすがるように別れを拒む場合や、言葉は悪くても本当は好きなんだろうなと思うリアクションがあるなら、その行動や言葉を持って恋愛感情の深さに気づかされる。
好きだったらあっけない別れをしないのではなく、もつれる別れ方が「自分に向いた愛情」と「二人の深い関係」を証明する部分がある。
複雑な感情を言葉にしたから少し分かりにくいけれど、本気で想い合う中であっけない別れも体験した身で話をするなら、あっけない別れがカップルの関係を象徴したのではなく、もつれるなら簡単に別れられないだけの気持ちがあったことを証明したのだと私は認識する。
- 強い愛情と親密な関係があった=別れがもつれることもあるが、色々な理由であっけない別れ方をすることもある
- 強い愛情と親密な関係がなかった=ほとんどがあっけない別れになる、別れ話がもつれることはない
別れ方で一つの恋愛を評価する気持ちは分かるが、自分も素直になれなかったとしたら、相手にだけ言葉や行動を求めるのはどう考えてもおかしい。
恋愛は、絶対に「相手にばかり求める人」がうまくいかない。
あっけなく別れた表面的な原因は、本質的に「二人」に責任がある。これは振った・振られたの立場に差は無い。

上の記事のように、別れ話で相手の気持ちを試す人もいて、カップルでする会話はどんな内容であっても一方的なものにするかどうかを現実的に「二人が決める」ことになる。
別れ話を切り出しつつ、それでももつれるように会話に持っていくタイプの人もいるくらいだ。
結論を言ってしまうと、
すがられたかったとしたら、そういう別れ話の切り出し方をすることができればあっけなく別れなかったのかもしれないし、心の中が分からない別れ方をしたのだから、たらればがある以上は、別れ方で価値を計り切ることができない。
といこと。
素直になれないなら、想い合うカップルも簡単に別れてしまうことを、あなたも知っているのではないだろうか。
あっけない別れをしたなら、「自分は素直に恋人と接することができていたか」を考えよう
もし、「もう呆気ない別れ方をしたくない」と、一つの別れを経験として次に生かすなら、「恋人と素直になんでも話せる関係性を作れたか」を考えよう。
あっけない別れ方をした時は、「自分は素直に恋人と接することができていたのか」を考えないといけない。
あっけない別れは、冷めきった二人なら「お互いが傷つくことなくすんなり別れられる」という点で効率的な別れ方だ。恋愛に効率を持ち出すのは違うけれど、あっけない別れのメリットを考えれば、生産的な考え方だとも言えるだろう。
しかし、たとえ少しでも想い合う中であっけなく別れる場合は、関係性がとても希薄になっていた可能性がある。深く信頼関係ができていると、多くの場合で別れ話はもつれる傾向が高いこともその理由だ。
信頼していた恋人に別れを切り出されたなら、やはりショックが大きくて何か言いたくなるし、好きだったら信頼している分、何とか関係を壊さない方法を模索する。
「別れはカップルを象徴する」
これはある意味で正解であり、「こんな別れ方をしたならその程度だった」というのは本当である場合も多い。
しかし、「別れる時はあっけないものなのか」という問いの答えは、「深い交際だと修羅場のような別れ方もある」なのだから、あっけない別れを迎えたあなたの中で「その程度の恋愛ではない」という気持ちがあるなら、相手との関係性において「その程度の恋愛」となってしまうような結末を迎える関係しか作れなかったということを象徴しているように思う。
もちろん相手のいる恋愛では、予想だにしないことも多いけれど…。
好きな人の前で自分らしく素直に振舞うことができない人は少なくないから、あっけない別ればかりになってしまう恋愛の形にしないように、恋人との付き合い方を少し考えてみるきっかけにしてもいいだろう。
私の経験則では、彼氏や彼女としっかり向き合って、お互いを尊重しつつ思いやりを持って接すれば、あっけない別れ方をすることは珍しい。
一度本気で好きになったら、いつも相手を想う感情は複雑になる。何度もあっけない別れを迎えた人は、付き合い方を再考するべきだ。

あっけない別れ方をしたカップルはよりが戻るのか
この記事を読んでいる人の中には「あっけない別れ方をした人とよりを戻したい」と思っている人もいるかもしれないが、よりを戻せるカップルについては下の記事で詳しく解説している。

あっけない別れ方をしたカップルは、話し合いをしたカップルに比べて、もとさやになる可能性が高いカップルではあるが、あくまでもそれは「素直になれなかったこと」が原因の場合だ。
冷めた彼氏の気持ちが目に出ている場合や、めんどくさそうに別れ話をしてきた場合は、むしろ「簡単に別れたからこそ、もとさやが難しい」という場合もある。
よりを戻したいと思うならよりを戻す方法をしっかり実践するべきなので、もし未練があるなら男女別にまとめている下の記事を参考にしてみよう。
あっけない別れ方をすると後悔することも多いので、自分の気持ちに素直になって「今の自分にできること」に頑張ってみよう。
まとめ
今回は、「あっけない別れ」をテーマに、その恋愛の価値やあっけない別れの原因、別れるときはあっけないものなのかをはっきりさせるために「恋人同士の別れ方」について角度を変えながらまとめた。
あっけなく別れるカップルは、友達同士のような軽い関係だった場合もあるし、想い合う中ですれ違うように、気持ちとは裏腹なあっさりとした別れ方をする場合もある。
別れた後に傷つき方が軽くなるメリットもあるが、あっけない別れに空虚感を感じるなら「関係性の作り方」に問題があったかもしれない。
壁を作るように付き合う人は彼氏や彼女と深い関係性を作れない。素直にしっかり向き合って、「あの恋愛は何だったのか」なんてことを考えない恋愛の仕方をしよう。
もし、前の恋人との別れから立ち直ろうとするなら、下の記事も合わせて読んでみよう。まだ好きだけど、諦めたいという人におすすめの記事だ。

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