過去記事で「情で付き合うこと」をテーマにしたことがあった。
恋愛感情が具体的に説明しにくい言葉であるように、「好きかわからない」とか「好きじゃなくて情な気がする」とか、恋愛に「情」の概念を持ち出すと自分の感情であるはずの「恋人を思う気持ち」にさえ疑問を持つことがある。
もし今付き合っている彼氏や彼女との付き合いが「情で別れられないだけ」なら、あなたはその付き合いをそのまま続けていくだろうか。
恋愛中は、好きだから一緒にいる人だったはずの恋人の存在が少しずつ変わっていったときに「情と愛情の違い」が自分の中であやふやになることもある。
付き合う前に関しても自分にアプローチしてくれる人に情の気持ちを持つこともあるから、カップルだけの問題ではない。
あなたが情と愛情の違いに悩んだとしたら、どんな答えを出すだろうか。
この記事では、恋愛の専門家の立場で「恋愛における情と愛情の違い」について考えてみようと思う。
好きなのか情なのか、明確に答えがあるものではないと思うけど、愛情と情にはどんな違いがあるだろう。情が湧いた恋人や情がある男友達・女友達を思い浮かべて読んでみてほしい。
恋愛における「情とは何か」
恋愛における “情” を簡単に説明すると、愛情から愛がなくなった状態(愛情ー愛=情)と、情の気持ちを愛情だと勘違いする状態をイメージすると、最も現実に近いイメージができる。
好きという気持ちは感情の1つで、恋愛感情の中にも「情」と言う言葉が含まれているから、愛情と情の違いはあなたが当事者になって悩むと難しい問題だと気づくと思う。
たとえば、自分を好きでいてくれる人や、好意を持ってアプローチする男友達・女友達に情を持つと「恋愛感情はないけど情がある状態」になって同情の気持ちから告白を断れないことがあるし、長く付き合った彼氏や彼女に好きじゃなくなったけど「情がある」「情の気持ちを持つ」ことで別れらないことがある。
人には人情の気持ちがあるため、特に自分に近しい人や親しい人に対しては情の気持ちを持つ方が自然だ。だから、好きと情の違いや、愛情と情の違いは難しい。
情と好きの違いや、愛と情の違いは、言葉の意味を調べてもわからない理由
情と好きの違い、愛と情の違いは、辞書で言葉の意味を調べても「よくわからない」と思う人が大半だ。
なぜなら、情の気持ちは好きな人(彼氏・彼女)にも持つ気持ちであり、「情がある」「情が湧く」ことが恋愛においても普通のことだからである。
好きでも情の気持ちはあるし、愛情を持っていても情の気持ちを持つ。ここに「恋愛における情とは?」という問題の難しさがある。
実際、情の意味を辞書で引くと以下のような説明がある。
情とは(出典:goo辞書)
1. 物に感じて動く心の働き。感情。
2. 他人に対する思いやりの気持ち。なさけ。人情。
3. まごころ。誠意。
思いやりの気持ちにしても、真心や誠意に関しても、好きな人に普通に持つ気持ちだから、いわゆる辞書的な発想では「情とは?」が分からないのである。
誰か特定の人に対して情を持ったとしても、それが愛情を否定することはなく、情と恋愛感情は1人の気持ちの中に同居できる。
彼氏や彼女に情があるのは問題ない!愛情が情に変わる、愛情が冷めて情だけになるのが問題
彼氏や彼女に対して「情がある状態」は何の問題もないばかりか、基本的な人の感情の動きである。
特に長く付き合った彼氏や彼女に対しては愛情より情が強くなる傾向すらあるため、問題は「愛情が情に変わる(感情の種類の変化)」「愛情が冷めて情だけになる(愛がなくなったパターン)」だと言える。

要は「情なのか好きなのか」という曖昧な気持ちの問題をどう判断するかが重要だ。恋愛では、情が湧いた相手だからこそ交際期間や時期によって「まだ好きなのか好きじゃなくなったのか」を曖昧に思うことがある。
付き合う前に関しては、「同情で付き合う」ことや、「好きじゃないけど情がある」ことで自分が付き合うべき相手を愛情や恋愛感情に照らして選べないことが問題になる。
ただし、何度も言うように恋愛のおける情とは?という問題は非常にわかりにくい。次からはより詳しく「情と好きの違い」「情と愛情の違い」を徹底解説していく。


「可哀そうと思う」のが情、「守りたいと思う」のが愛情
恋愛を前提に「情と愛情の違い」を考える時に、一番に浮かぶのが「情(じょう)=情け(なさけ)」と言う気持ちだ。
彼氏や彼女に対して “なさけ” の気持ちを持つ時、それは既に愛情の終わりを表していて、本来は「可哀そうと思った瞬間に何かしたくなるのが好きと言う感情」だ。
それは衝動にも似た気持ちである。
付き合ってないならできることが限られているかもしれないが、彼氏や彼女に対して可哀そうだと思ったら「私(俺)にできることは?」と思って行動したくなる。それが愛情というものである。
愛情があるなら、好きな人にかわいそうと思うより、守りたいと思って行動したくなる
「可哀想」という感情は好きな人にも持つ気持ちだけど、「かわいそうとだけ思う」のは恋愛している人の気持ちとしてかなり違和感がある。愛情があれば可愛そうと思うのと同時に「守りたい」という気持ちも抱くものだ。
これは男性心理だったら本能的になおのこと思うことであり、一部女性の中には「守りたい」と思うこと自体が恋愛している時に少ないという人がいるけど、そんな女性は「積極的に彼氏や好きな人をどうにかしてあげたいと思うかどうか」に変換して考えみると情と愛情の違いがわかりやすくなる。
私(俺)がいないと可哀そうだから付き合ってる状態は情で付き合ってる状態
彼氏や彼女を意識した時、「可愛そうだから一緒にいる」のは、正に「情で別れられない典型例」だ。
彼氏や彼女に情が湧くと別れられないことに悩む人が多いけど、「彼女が可哀想だから振れない」「彼氏がかわいそうだから付き合う」と確定的に思ってるなら、別れられないだけで愛情はない状態である。
恋人にかわいそうだったと思っても、「自分がいてあげたい」「情があるから別れたくない」と思えるなら愛情が残っている。
好きな人にも「傷つけたくない」という気持ちを持つものだから、これだけで明確に愛情と情の違いを表現できないが、「守りたい」という気持ちを代表とする「積極的に相手に関わりたい」と思う気持ちがなくなっているなら、「惰性の交際」との関連性も強くなる。
「自分が居なくなったらどれだけ傷つくんだろう」
自分のことを大好きな恋人を持つと、自分が居なくなった時の相手を「かわいそう」という気持ちで、情だけの付き合いをしてしまう人がいる。
でも、彼氏や彼女に「かわいそう」という気持ちだけを持っているなら、まさに「情け」の気持ちである以上「情」ということになり、「守りたい」とか「救ってあげたい」という気持ちを持てないなら「愛情」がない状態だ。
愛情を持つ相手には「かわいそう」と思った時、もしくはそう思う前に「何かできることがしたい」と思うものである。
離れた時に「会わなくても大丈夫」なのが情、愛情を持っていれば会いたいと思う
「情で付き合っているのか、好きだから付き合っているのか」に迷った時は、「距離を置くこと」が有効な対処法になる。
ずっと一緒にいる状態の相手に対して自分の気持ちを見失うことはよくある話で、一緒にいることで色々と溜まってくることもあるし、近いほど見えなくなることも多いから、一度離れてみると自分の気持ちがはっきりするのだ。
情と愛情の違いは「彼氏や彼女と離れている時の気持ち」に表れる
実際に彼氏や彼女と距離を置いた場合、離れている時に「会いたくなる」のが愛情を向けている状態である。


愛情があるなら精神的な繋がりだけでなく「触れたい」とか「触れられたい」とも思うから、様々な感情と共に「会いたくなる」気持ちを持つ。(※ちなみに情だけなら「触れられるのが嫌ではない」くらいの気持ちになる)
もし愛情が情だけになっているとしたら、相手とは何かしらの繋がりがあれば良いので、「会わなくても平気」「会わなくても大丈夫」という気持ちになりやすい。離れた時に相手が気にならないのも「情だけ」になっている時の特徴だ。
別れるのが寂しいだけなら情、愛情があるなら「別れたくない」と強く思い、「別れるのが怖い」と失う恐怖心も持つ
彼氏や彼女に対して、完全に関係が切れてしまうことが寂しかったり悲しかったりするだけなら、情しかない状態だ。
愛情がある状態なら、どれだけ一緒にいることに慣れていても、たとえ多少の飽きがあったとしても、距離を取って離れた時に「相手の存在が自分に取ってどのような意味を持っていたか」を知る。
愛情があるなら「別れたくない」と強く思うし、「別れるのが怖い」という恋愛感情特有の恐怖心も抱く。これは、一度距離を取った時に、思った以上に大きな違いとなって実感できる部分だ。
離れてる時に、「あれ?」って不思議なくらい恋人がいない状態でも平気に感じる場合は、「情だけ」だった自分に気付く瞬間である。
愛情を向けている相手なら、距離を置くことで急に気になり出したり、顔が見たくなるなど、気持ちの変化が恋愛を意識する内容に変わっていく。
情か愛情か分からなくなった人は、経験上、彼氏や彼女と距離を置いた状態で “一人になった時に思うこと” が「情と愛情の違い」としてすごく大事なことだ。
自分の気持ちに突き動かされるように会いたくなるなら、あなたには恋人への愛情がある。恋愛感情は自分自身でもセーブできないものだから、離れるべきじゃない相手と離れた時、暴走に近い感情にまで膨れることがある。
距離を置いたのに情か愛情か分からないなら、それはそれで答えが出ていて、愛情にしては自分が相手を気にする意識が低すぎる。その場合は、情だけで付き合っているから穏やかな心でいられるのだろう。
会いたくて震える気持ちを歌った歌手がいたけど、愛情を持った相手に対しては離れれば離れるほど会いたくなるものだ。愛情と情の違いをよく表している事象だと思う。
「感情の起伏」で愛情と情の違いを考える
人の感情は、愛情のある相手に対して感情の起伏が大きくなる。好きな人に対してはいわゆる「喜怒哀楽」がはっきりしやすいのだ。
愛情があれば、他の人と比べて彼氏や彼女に感情が大きく動く。
一方、「情だけ」になってしまうと、感情の起伏がかなり穏やかになるのが特徴で、恋人の言葉や感情で自分の感情は大きく動かない。
時にそれは、寂しさを感じるレベルで起こる。愛情から情に変わる、情はあるけど愛はない状態になると、恋人はそっけない、気にしてくれないとよく思う。
愛情がなくなったら、彼氏や彼女がどうでもよくなる!愛情があるからこそ起こる喧嘩がなくなったら情だけになったサイン
カップルが情だけで付き合うようになると、ドキドキよりも安心感が完全に勝る状態となり、「こだわり」も特になくなるし、「嫉妬」に絡む感情もなくなるため、とにかくカップルらしい喧嘩をすることがなくなる。
カップルの間に問題だと感じることがあっても、情だけだからすぐに消化できることも多くて、広義の意味で恋人がどうでもよくなるのである。
衝突して、気まずい思いをしてまで「伝えたいこと」がない状態は、「カップルが情で付き合う雰囲気」そのものである。
恋愛感情がある状態なら、複雑な気持ちが交差して、付き合う前から色々と問題が起きるものだ。ゼロ距離で付き合っているのに喧嘩しないのは「喧嘩もできなくなった」という状態(=冷めたけど情がある状態)に多いのである。


好きなら相手からの愛情を求めるけど、情だったら適当に合わせるだけ
情と愛情の違いとして「無償性(※見返りを求めないこと)」はよく話題に挙がることだけど、特定の人に対して抱くのが愛情だから、その分実質的な「見返り」に固執することは決して少なくない。
無償の愛を注げるのが愛情を持った状態であることを否定しない。でも、情に比べて愛情の方が自分に取って大事な気持ちになりやすいため、本当に好きな人には自分勝手な気持ちを持ったり、自分がしてあげたことに見返りを求めて、言わば双方向的な愛情関係を望む気持ちが大きくなる。
好きな人には失いたくない気持ちが強くなるから、ワガママなことを求めてしまう人も多いはず。そこには相手からの愛情を確かめる意味もある。
この点を踏まえて感情の起伏を考えたとき、情だけの相手には基本として「心配」がメインになるので、「情だけになったら相手からの愛情を求めない」のが大きい。
自分の中で処理できないような感情も抱えないし、相手との関わりの中で精神的にいっぱいいっぱいになることもない。
穏やかさは幸せのひとつだから悪いことではないけれど、情で付き合っている時は居てくれるだけで良かったりするので、愛情がなくなって情だけになると、恋愛感情が原因の気持ちはやはり無い状態だ。好きから情に変わったら、適当に合わせることができてしまう。
しかし、だからと言って「ドキドキしない=愛情から情だけに変化した」とするのは間違いなので注意してほしい。
ドキドキしないのは「愛情がないサイン」ではない!
慣れと安心感は長く付き合うようなカップルが時間の問題で経験することで、それが恋愛特有のドキドキを奪うのだけど、この状態が「愛情がなくなって情だけになったサイン」ではない。
長く付き合ったカップルは雰囲気が落ち着いてくる。恋愛をしている時は常にドキドキするものではないから、付き合っている彼氏や彼女をイメージした時に安心感を抱くのは紛れもなく「幸せ」であり、ここは情と愛情の違いの物差しにならない。
そこで注目するべきが「感情の起伏」なのである。
先ほど述べたように、愛情のある相手には、人が能動的になりやすい。自分の中に “愛” という強い気持ちがあるからだ。実際に行動するかを置いておくとしても、好きなら「何かしたい」という気持ちが相手の気持ちを考えるより自分の気持ちとして大きいので、積極的な感情が湧く。
情だけの相手には「頼られたら助けたい」とは思っても、自分から出張っていくことが稀だから、お互いに心の距離感を感じるものだ。個人的な性格も関係しているとは思うものの、「好きなのか情なのか」を考えた際に共感できる人は多いのではないだろうか。
情が強い女性は誰にでもお節介になることがあるからどうしても情と愛情の違いは曖昧だけど、「好きだから」「好きな人にために」と思った時に人が行動的かつ積極的になるのはイメージできると思う。
好きか情かわからなくなった時は、自己犠牲を払ってでも、又はお節介だと思われたとしても手助けしたくなるか考えてみると、自分の中に特別な気持ちがあるか判別することができる場合がある。
情と愛情の違いを考える際は、完全に愛情が冷めた状態ではないことが多い
この記事を通して「情だけで付き合う」と表現したところがいくつかあったが、情と愛情の違いを考える際は、「完全に愛情が冷めた」という状態では無いことが多い点に注意してほしい。
なぜ愛情から情に変わったとしても、完全に愛情がなくなることがないのか
私の恋愛経験を振り返っても、情と愛情の違いを考える際は「本当に好きと言えるのか」というレベルで悩む機会が多かったし、2000件以上受けてきた恋愛相談を通しても、情と愛情の違いを考える際に「完全に冷めた」という人はほぼいなかった。
なぜなら、本当に情だけになってしまった人は、程なくして次のステージの悩みである「別れ」に頭の中が切り替わるからだ。
自分の気持ちが情なのか愛情なのかに迷う人は、少なくても愛情が残っている状態ではあるので、付き合い続けるべきか別れるべきかで悩むのである。
対処法に関しては前述しているように情か愛情か確かめるために「距離を置くこと」が最も効果を期待できるが、それでも情と愛情の違いで悩み続ける人がいる。これも、「完全に冷めてない」のが理由になっている部分だ。
愛情を疑う時は、情が勝っている時
ただ、本来愛情をもって付き合っている彼氏や彼女を思い浮かべて、自分が持っているはずの「愛情」を疑う時は、「情」が勝っている状態なのはほぼ間違いない。
付き合ってる人を前提に情と愛情の違いを考える際は、別れるまで愛情が冷めたかどうかがポイントになっていることが多くて、情があるだけに後悔したくない気持ちが強くなり、決断できないケースが本当に多かった。
情と愛情の違いに答えを出す際は、このことを念頭に、納得できるまで悩み続ける時間が必要になる。付き合いを続けることで大きなデメリットがないなら、自分の気持ちを確かめるために時間を使おう。
もし倦怠期になってると思うなら、下の記事を読んで対策すれば、また違った未来が訪れるかもしれない。


情で付き合う彼氏や彼女に「好きじゃなくなったのに付き合い続けている」ことで罪悪感を持つこともあると思うが、長く付き合った恋人なら別れは人生の転機ともなりかねない。カップルには倦怠期もあるので、一時の気の迷いでダメにしてしまうのは後悔の元である。
この記事があなたの選択に役立てば嬉しい。


まとめ
今回は「恋愛における情と愛情の違い」を考えてみた。それぞれで答えが違っていても良い分野だと思うが、あなたはどう感じただろう。
恋愛につきものの「ドキドキ感」や「ときめき」「キュンとする瞬間」は、長く付き合うとどうしても失われやすい。それに代わって抱く感情が「安心感」や「信頼感」「充足感」だろう。
その中で恋人に情が湧くから、ときどき自分の気持ちも分からなくなる。
愛情から情に完全に移行していくかは人によるけど、カップルが長続きする内に愛情と情のウエイトは確実に変わっていく。
もし今付き合っている恋人との関係で「情と愛情の違い」が問題になった時は「距離を置くこと」が最も有効な手段になるので、煮え切らない気持ちが抱えきれなくなる時は試してみると自分の気持ちがはっきりしやすいと思う。
いずれにしても情と愛情の違いを考える時は完全に冷める前の状態だから、簡単に答えは出せないし、出すべきでもない。カップルには良い時期と悪い時期があるので、これまで良い付き合い方ができた相手なら悩む時間が無駄にはならないはずだ。
後悔しない、納得できる答えを出そう。1年、2年と付き合ったカップルは特に愛情と情のバランスが微妙に動き続ける。
自分の気持ちが情だとはっきりした人もいると思うので、下に別れ方を解説した記事を貼っておく。前に進むために決断しないといけない人もいると思う。「可哀想だから振れない」と思うことが果たして恋人のためか考えるべき人もいる。優しさの意味をはき違えないように気を付けてほしい。


男性は下の記事も参考にしてみてほしい。
情か愛情か悩む中で「幸せじゃない」と確信している人は、下の記事も読んでみよう。
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