ネットがより身近になったことやLINEやフェイスブック、インスタやツイッターの利用が当たり前になったことで、以前は非常に限定的な一部の人しかあり得なかった「ネット恋愛」が若者を中心に増えている。
地方に住む高校生やあまり社交的ではない大学生など、最初からそれを望んでいたか否かを問わず、ツイッターやLINEやフェイスブックで繋がった人と「ネット上だけで恋愛する」という現象が昔に比べていくらか一般化してきている。
そんな「ネット彼氏」や「ネット彼女」をあなたはどう思うだろう?
今回はこの「ネット恋愛」について考え、会ったことがない恋人の価値やネットだけの関係で付き合うということはどういうことかをまとめ、私なりの意見を述べながら解説したい。
恋愛のきっかけに拘る時代ではないとは言え、ネットから始まる恋愛はどんな意味や価値を持っているのか、ネットでしか会えない彼氏や彼女の価値とは?
あなたも経験するかもしれないネット恋愛をぜひ詳しくしってほしい。
完全ネット恋愛が増えた理由
ネットだけの彼氏や彼女を持つ行為は決して「流行している」とまでは言えない。あくまでも昔に比べて増えたという程度だ。
しかし、それでも確実に増えているのには明確な理由がある。まずは、その理由をまとめておこう。
気軽に繋がれるSNSの普及
以前から完全ネット恋愛という付き合い方は存在していた。代表はネトゲ(オンラインネットゲーム)を通じて知り合い、それがカップルとしてのお付き合いに発展していくという形だ。リアルとは違ったネット人格を作り、ゲーム内の力関係などを持ち込んで、リアルでは恋愛が苦手な人が、ゲーム内でネット彼氏やネット彼女としてお付き合いする人たちがいた。
一方で、現在の完全ネット恋愛の形は「SNS」がきっかけになっている。ツイッター、LINE、インスタ、フェイスブックが代表だろう。
今は誰とでも繋がれる時代となり、つながり方も多様化したため、ネットを介して男女が恋愛的に仲良くなったり、恋人がほしい人同士が繋がって会ったことがない関係でも恋人になる。
多少なりともネット恋愛が増えてきた理由は、昔から存在している「ネット上で恋人を作る理由がある人」に加え、気軽に繋がれるSNSが流行ったことで、恋愛環境に恵まれない地方に住む人同士がつながり、遠距離恋愛をしているのが目立つ。ネット恋愛は遠距離が多いのは特徴だ。
もちろん、普通に会おうと思えば会える関係でもネットだけの関係で彼氏や彼女として「一定の範囲内(=ツイッター上とか限定的な範囲内)」で付き合う人もいる。今の完全ネット恋愛の形はここで挙げきることができないほど多様化した。それは誰でも身近に機会が増えたことを意味し、以前はネット恋愛なんてしなかった層まで取り込んできている。
昔はイケてない人がリアルで恋愛できないからこそネット恋愛をしていたけれど、今はネットもリアルの感覚に近く、イケてるかイケてないか問わないところがある。カッコいい男子、可愛い女子も、恋愛観や恋愛環境によってはネット恋愛している状況だ。
ネット上に顔写真を載せることに抵抗がなくなった
若者の恋愛は大人の恋愛に比べて相手の容姿を気にする向きが強いが、今のネット恋愛は昔と違って顔写真を交換し、「画像」でとは言えお互いに外見も知った上で付き合う。住所や名前ももちろん知っていて、ネット恋愛であっても「情報」の面でリアルとの垣根はほぼ無い場合も多い。
昔のネット恋愛は容姿はおろか名前もニックネームで付き合っていたカップルが多かった。ネット恋愛の特徴を活かし、お互いに色々なことを隠し合って恋愛していたのだ。以前のネット恋愛はある意味ファンタジーで、自分の想像の中で相手を作り上げるところが逆に恋愛的に面白かったのかもしれない。
方や、今のネット恋愛は相手について知らないことは少ない。もちろんカップルごとにここの事情は大きく変わるが、お互いに住所を知らないと出来ない「プレゼント交換」を行うことも珍しくないことは取材済みだ。
SNSの普及は写メのネット公開に抵抗をなくさせ、高校生も含まれる今の若者のネットに対するイメージは昔と変わった。最初から顔を知って繋がるケースも多く、仲良くなってからなら写メやプリクラの交換は当たり前となり、ネットで繋がった相手への信用はリアルとそう変わらないとイメージする人が劇的に増えたことは、完全ネット恋愛が増えた理由として代表例となる。
恋人への憧れを叶える手段の多様化
10代の恋愛に対する憧れはやはり大きい。ネット恋愛が増えた理由は、環境が整ったことに加え、元からある潜在ニーズの高さもここで挙げておきたい。
若者の生活環境は大人に比べて非常に狭い。周りの人と恋愛できない事情があれば昔は恋愛をあきらめるしかなかったが、今は「彼氏を作りたい」「彼女を作りたい」とモチベーションさえ高いなら、同じニーズを持った人とネットを通じて知り合うことで恋愛できる状態だ。
若者が持つ恋人への憧れは、昔から変わらず存在していたけれど、それを叶える方法が多様化したことで、「一つのきっかけ」が増え、「まさか自分が…」と思う人でもネット恋愛の経験をする場合がある。
幼さゆえのマッチング現象
ネット恋愛するタイプの人は恋愛力の意味で幼いようによく感じる。恋愛アプリでも「マッチング」という概念があるが、これはあくまでも興味を持ちあった同士、そこからコミュニケーションを取ることで本格的に恋愛していくか付き合っていくかどうかを探る意味で、メッセージ交換をできる状態になること以外の意味を持たない。ここで「両想い♡」とはならないのが一般的な感覚だ。
しかし、これが完全ネット恋愛になると、中には「マッチングするように付き合うという概念を持ち出す人」がいる。会ったことがないことをほとんど気にせず、「彼氏(彼女)がいないなら付き合おう」と、リアルで言うところの「告白」をするのだ。
気軽に繋がれることが気軽にネット彼氏やネット彼女になることを冗長させ、リアルでは言えないことをネットなら言えることで、マッチングするように付き合うことを決めるカップルがいる。
もちろん、真面目(ここでは意味合いとして「重い」ということ)にネット恋愛するカップルもいるのだが、こじらせた人はネットだけの関係で付き合った別れたを繰り返す人がいるのも事実である。
ネット彼氏やネット彼女を作るメリット
ネットだけの関係が儚いことはほとんどの人が自覚するところだが、なぜネット恋愛をするかと言えばメリットがあるからだ。ここまで挙げてきたことから連想できるネット恋愛のメリットも含めて、ネット彼氏やネット彼女を作る主なメリットを挙げてみよう。
- ネットだけであっても恋人持ちになれる
- ネット上で親しくするのが癒しになる
- 話を聞いてくれる人、自分を認めてくれる人ができる
- 暇がつぶれる
- モテる気分を味わえる
- リアルで恋愛できなくても、ネットなら自己表現ができる人は恋愛をあきらめなくて良い
- 盛り写メで外見を盛れば、ブスやブサイクでも彼女や彼氏ができる
- 多少話をごまかせば、友達に恋人持ちを自慢できる、話を合わせられる
本当に現実を直視すれば虚しさも覚えそうだが、積極的にネット恋愛をする人は上に挙げたようなメリットを意識している。完全にこじらせている人になると、ネット恋愛のための盛り写メ作りに毎日努力をするほどだ。
確かに恋愛する上で自分の外見が弱点になってしまう人もいるから、恋愛の本質である「中身」を見てもらう、もしくは相手の中身を見るのに、十分なコミュニケーションが取れるならネット恋愛にも本質的な魅力がある。そこまでは言えるのではないだろうか。
ここまで、ネット恋愛がどのようなもので、どのような気持ちでするのかをまとめたが、次の見出しからは「会ったことのない恋人の価値」について視点を変えながら私の意見をまとめていこう。
ネットだけの恋愛、会ったことのない恋人と「本当に付き合っている」と言えるのか
下の記事でも以前にまとめているが、私は「恋愛とは超個人的なものでいい」という意見を持っている。普通の恋愛にしか価値がないとは思わないし、ネット恋愛がいいならネット恋愛を全面的に否定するつもりはない。そもそも「普通の恋愛って何?」とも思う。恋愛の普通に本質的な意味はないだろう。

完全ネット恋愛になってしまっているカップルの中でも、その付き合い方は多種多様で、致し方なく会ったことがない状態で付き合っているカップルもいる。ネットでしか知らない彼氏や彼女との付き合いに悩んでいる人たちもいて、「これから」に期待する人たちまで「ネット上の恋愛」として否定するのは少しかわいそうという気持ちを抱く。愛し合っている、好き同士なら否定するのが二人の不幸になるとも思うのである。
しかしながら、ネット恋愛に逃げ込むようにリアル恋愛をあきらめてしまうのは個人的に勿体ないと思うし、もし虚しさを抱えてしまうなら「その場しのぎになってしまっている」と感じる。リアル恋愛からネット恋愛に「逃げる」なら、掴むはずだった幸せを自分から放棄しているように感じ、恋愛する人を応援している私の立場では、すごく悲しく感じるのだ。
世のカップルの中には遠距離恋愛で3ヶ月に一度しか会えないとか、お互いの価値観の問題で月に1回しか会わないでお互いのプライベートを優先して付き合うカップルもいて、「自分たちが良ければ人に迷惑をかけないことを条件に、自由なのが恋愛」だと思う。
完全ネット恋愛であっても、お互いが想い合って納得していて、幸せを感じるならそれでもいいのだろう。でも、彼氏や彼女と「会うからこそある幸せ」もやっぱり恋愛にはあって、ネット恋愛で適当に付き合っては別れを繰り返してしまうなら、やめた方がいいかなと思ってしまう。
彼氏や彼女の体温や空気、色々な表情や言葉にされない想いを感じる行動や態度、挙げて行けばキリがないほど「実際に会うことで感じること」は本当に多い。ネット恋愛をしている人はこんなことを言われなくても分かっているのだろうが、敢えて向き合うべき人もいることだろう。本当に幸せになるにはどうしたら良いか、考えるべきタイミングを迎えることもある。
カップルになる、付き合うということは、お互いに恋愛感情を持ち合って両想いであるなら、付き合い方は自由だ。会えない恋愛を否定する人は会える人と恋愛すればいいし、性格が合うことが全てと思う人は外見が悪い人でも胸を張って付き合えばいい。外見重視でイケメンや美人としか付き合えない人は、性格ブスでも外見がいいならいい恋人になる。
想い合う関係でいるならネット恋愛でも付き合っていると言えるのだろうが、その価値については見出しを変えてもう少し深堀したい。
ネット彼氏やネット彼女の価値
このテーマで伝えたいことは、本質的には「あなたが納得しているなら恋愛は形を問わない、相手も納得しているなら幸せに付き合うことができる」ということだ。ネット彼氏やネット彼女の価値は自分で決めればいい。
しかし、会ったことがない関係の儚さはこれまでネットを介して繋がってきた経験やネット恋愛カップルを見て思うところ。マッチングするように付き合うことを決め、適当に恋人ごっこをするだけなら、思ったような価値がないことを後から知るだろう。
恋愛は適当なところで妥協すれば幸せと遠ざかる。一人でいるべき時期もあって、その間に考えたことが自分を成長させたり、恋愛への考え方を大人にする。適当に付き合ってきた人を出会うと、何だか薄っぺらい人だと感じることもあったりするものだ。人が相手の付き合った人数を気にするのは、相手が「今までどんな恋愛をしてきたか」が気になるからである。
ネットをきっかけに会ったことがない恋人を作るなら、近い将来会えることが付き合う上での条件になるかなと思う。「ツイッター上だけ」などのように、「条件付きの付き合い方」は本来の意味で恋人同士とは言えないだろう。あくまでも恋人ごっこであり、それなら別に誰だっていいのだろうから、恋人作りは世に言われるほど難しいことにならない。
一人で居れば寂しいとしても、逃げると本質的に魅力を失う。「素敵な人と付き合いたい」という気持ちは、言葉にしにくいが実際には大事なことだと感じる。会えない恋愛にはやはり限界があり、会うからこそある「恋人の価値」を感じることができなければ幸せの総量もやはり小さいのだと思う。

会える恋人だからこそできることの代表としては上の記事でテーマにしている「キス」が挙げられる。ネットだけの恋愛をするなら失っているものがあり、誰かほかの人を探しながら恋愛するなら付き合うという形と取らない方がいい。恋愛をくだらないものにするのは自分自身だ。
恋愛を通して幸せになる方法は決して一つに絞り切ることができないから、自由に恋愛をすればいいけれど、適当な恋愛からは恋愛のデメリットの方が気になる。特に若いうちの恋愛はその人の恋愛観を決めるところもあって、若いが故に未来が明るいからこそ、理想の恋愛を求めてほしいなと思う。
ネット恋愛に迷うなら
ネット上だけの恋愛に迷うなら、どのように自分へ価値付けできるかを考えよう。ネットはきっかけにしていれば問題ない。恋がはじまるきっかけに拘るのはもう古いし、幸せかどうかにきっかけは直接影響しない。
大手婚活・恋活サイトの「ペアーズ」などは恋人ができた人が既に15万人を突破し、真剣に恋愛して結婚に至るカップルもすごく多くなっている。恋愛はきっかけが必要だから、可能性が広がったのは歓迎できる。色々な方法で積極性が発揮できるようになったのだし、あなたの価値観次第でネットが恋愛に役立つツールになっているのは事実だ。
- 公式サイト⇒pairs
ネットをきっかけにした恋愛がはじめてだったら、合うか合わないかはやってみないと分からないだろう。限定的な意味合いでお付き合いを開始するのはゲームのように恋愛するようなものだからおすすめしないけれど、二人で未来が見られるなら価値を与えることはいくらでもできる。要は、きちんとした恋愛ができる場所できっかけを探すべき。
恋愛は自分と相手が良くて、世間に迷惑がかからないなら個人的なものでいい。だから、最終的には自分が納得できるか、自分がその恋愛に価値を与えられるかが問題となる。
でも、一つだけここで言いたいことは「むなしい恋愛を繰り返してはいけない」ということだ。
信用できない人と付き合ったがために、その後に彼氏や彼女になる人を信用できなくなったり、恋愛は純粋な気持ちが絡むが故に、トラウマのように「経験」がその後に大きく影響する。リアルな世界では「無駄な恋愛」というものがあるにはあって、悪影響のみしかない恋愛も残念ながら存在する。
ネットだけの恋愛はやはり儚い恋愛となりやすい(※あくまでもネット「だけ」の場合)。会わないなら架空の世界で繰り広げられるファンタジーにもなってしまうかもしれない。近い将来に会える見込みがないなら、相手の一部しか知ることができない以上、もっと自分に合った人を探すべきだと私は考える。
ネットでする恋愛は、顔を合わせていない分、恥ずかしさや繊細な気持ちが絡みにくくて進みやすい。下らない恋愛をすれば恋愛そのものが下らなく思え、いずれにしても周りにいるカップルが羨ましくて苦しくなるのではないだろうか。自分の現状を否定したくなるなら、最初から進まない選択もある意味正しい。
私はおそらくどんな素敵に思っても、ネットだけの恋愛はしない。好きになった人と付き合って、仕方なく遠距離になることと、最初から会うことすら想定していない恋愛は全くの別物。
よく読まれる恋愛ブログを運営する管理人として、恋人とは触れ合ってほしいと思うし、ただ一緒にいるだけで感じる幸福感も感じてほしいと思う。言葉にされない、言葉にできないことは、そばにいるからこそ感じることができて、何も言えないときはただ抱きしめることで救われる気持ちがあることも知ってほしい。
繰り返すように、ネットはきっかけにすればいい。ネットから始まる恋愛に否定的になる必要はないから、ここで言っていることは「付き合い方」の問題である。関係を深めていくのにカップルは会わなくてはならない。頻度や時間は別にしても、会わない関係では深まらない愛があるのである。
自分がどんな恋愛をしたいのか、よく考えるべき人は少なくない。きっかけよりも「どんな付き合い方をするか」、もっとシンプルに問題点を考えてみると、あなたも進むべき道が見えてくるのではないだろうか。
まとめ
今回は「完全ネット恋愛」をテーマに、会ったことのない恋人の価値やネットのみの恋愛の価値などについて考えた。
ネットだけの恋愛に私が否定的なのは、恋愛の醍醐味を味わうことができず、好きなら会いたいと思うものだし結局恋愛は色々と考えて辛くなることもあって、最終的に幸せになりにくい恋愛の形だと思う。
ネット彼氏やネット彼女が以前に比べて増えたのは、寂しい人同士が繋がれる環境ができて、対面していない分繊細な言葉が言いやすくなった点が大きい。
それはそれでいいのだと思うが、自分の恋愛の形がそれでいいのか、相手や付き合い方を間違うと恋人がいないよりも不幸せになってしまうこともあるため、もしネット上の関係だけで頻繁に彼氏や彼女を作る人がいれば、今後のことも考えた方がいいと、私は思う。
★「ネットは恋愛のきっかけだけにする」という人は、本文でも紹介した「ペアーズ」を見てみよう。恋活アプリの利用率No.1で、実際の結婚まで至るカップルも万単位で誕生している。恋愛環境が悪い人は具体的な努力がないと幸せをつかむのがすごく難しいから、真面目に恋愛できる場所で具体的な行動をしてほしい。

関連記事: