恋愛では多くのテクニックが語られるが、その中でも最も有名なのが「恋の駆け引き」である。
恋愛は好きになった人から自分を好きになってもらうために色々なことへ頑張るが、「気持ち」を動かそうとする以上、「好きな人の心理」を考えることが基本となり、そうなれば「わざと駆け引きすることで好きな人の気持ちを自分に向けさせたい」という気持ちになる。
実際、恋愛の駆け引きがこれだけ一般的に言われるのだから、「好きな人に本当に駆け引きするか、やっぱり駆け引きしないか」を別にして、興味を持っている人や、興味を持ったことがある人はたくさんいると想定される。
そこで今回は、誰かを好きになった時に一度は考える「恋愛に駆け引きは必要か」という問題について考えてみたい。
人の気持ちは「追えば逃げる、逃げれば追う」と言われるが、恋愛を成就させるには駆け引きが必須となる恋愛テクニックなのだろうか。
「恋の駆け引きをしないと恋がうまくいかないのか」についてまとめていこう。
恋愛の駆け引きとは?
まず最初に、恋愛でいうところの駆け引きとはどういう意味か解説する。
恋の駆け引きとは
恋の駆け引きとは、気になる人や好きな人を振り向かせるために、押したり引いたりする恋愛テクニックのことを指す。
恋愛中に駆け引きをする男性や女性は、自分の行動にわざと不規則なパワーバランスを与え、気になる人や好きな人に違和感を与えることで「自分を意識させる」ことを目指す。
駆け引きの例としては、「毎日話しかけていたけど急にやめる」「頻繁にLINEを送っていたけど1週間LINEしない」「優しい態度で接していたけど、いきなり冷たくなる(急に無視する)」などがあり、いずれも恋愛アプローチで言うところの「押し」を行った後に「引き」を行うのが特徴だ。
恋愛中になぜ駆け引きをするのか
駆け引きする男性心理にしても、駆け引きする女性心理にしても、恋愛中に駆け引きする理由は「意中の人に対して自分に興味を引き付けたい」からだ。
押した後に引くと、駆け引きされた相手の心理としては「急にどうしたんだろう?」「なんでいきなり態度が変わったのだろう?」と気になるようになる。
そこで再び押していくと、恋愛アプローチの効果が大きくなるため、駆け引きする女性や男性が存在する。
また、恋愛の世界では「追えば逃げる、逃げれば追う」という心理作用が働くと言われており、これも好きな人に駆け引きする理由だ。
ずっと追いかけてると好きな人は逃げたくなる心理を持つため、適度に引くことで好きな人に追わせるように恋愛したいと考える人は決して少なくない。「追うと逃げる」なら、追わせるために駆け引きすることは理にかなった考え方である。
しかし、本当に恋愛には駆け引きが必要なのだろうか?
「追えば逃げる、逃げれば追う恋愛では、駆け引きしないと恋がうまくいかないのか」という点をリアルな恋愛に即して解説していく。
恋の駆け引きは誰でも自然にやっている!「追えば逃げる」というほど好きな人にアプローチできてない人がほとんど
私は恋愛コンサルの仕事を8年以上続けてきており、その活動以外も累計すると2000件以上の恋愛相談に対応してきているが、恋に駆け引きは必要か不必要かについては「恋に駆け引きは必要ない」との結論が出ている。
ここで言う駆け引きとは、「厳密な恋愛テクニックとしての駆け引き」を想定しており、わざとタイミングを決めて冷たくしたり、好きな人からの連絡を敢えて無視すると言った行為などをイメージして言っている。
この前提に立って、駆け引きするための行動や態度で好きな人を落とすという恋愛テクニックは、恋愛に必ずしも必要のないものだ。
少なくても、駆け引きできないと好きな人を落とせないということはない。
理由を解説していこう。
片思いすると、人は自然と好きな人に駆け引きしている状態になる
恋愛に駆け引きが必要ない理由は、恋の駆け引きは誰でも自然にやっている面があるからだ。
言い換えると、人は誰かに片思いすると駆け引きしているような恋愛の仕方をしているから、わざと恋愛テクニックとして行使する必要がない。
人は人を好きになると、恋愛成就に向けて何かしらの行動を起こす。何度も言っていることだが、何もできない恋は基本実ることがなく、アクションが起こせない恋愛は「恋の駆け引き」以前の問題。
では、みんながどんな風に恋愛アプローチをするかと言えば、誰に取っても「人を好きになる」という気持ちがとても大切なものだから、猪突猛進にストレートなアプローチのみを続けられる人がほとんどいない。
恋に駆け引きが必要だとすれば、なるべく多くの行動や態度を制御できる方が有利になるが、恋愛感情は制御することが本当に難しく、結果として押したり引いたりを「自然な形で行っている」のがほとんどの片思いなのである。
「追えば逃げる」という状況になっている人は本当に少数で、むしろ「追えない」「追えてない」という状況になっている人の方がずっと多いのが現実だ。
だから、わざと駆け引きする必要がない。
リアルな恋愛を見る限り、駆け引きするよりも大切なのは、好きな人へのアプローチに頑張ること
恋愛テクニックとして敢えて行う「恋の駆け引き」は、リアルな恋愛を見る限り必要とされていない。それよりも大切なのは、好きな人へのアプローチに頑張ることだ。
恋愛には駆け引きがうまい人ほどうまくいく面を否定するつもりはないのだが、必要なものというにはあまりにも現実を無視した話である。
あくまでも恋愛の駆け引きを使いこなす人は希少な存在であり、多くの恋愛成就は駆け引きすることなく成立している面に注目するべきだ。
恋愛アプローチは「積極的に頑張ろう」と思っても頑張り切れないところに片思い独特の緊張感ある雰囲気が生まれ、自然に駆け引きが成立している(頑張ったり頑張れなかったりする)状況が恋の進展を加速させる面を持っている。
つまりは「頑張る瞬間」をいかに作るかの方があなたの問題となるはずだ。
「ここは引こう」と決める時、果たして「押し」は、どこで、どれくらいできているだろうか?
あなたもきっと好きな人ができれば自然に押したり引いたりしながら片思いを進めている。だから、あえて駆け引きすると「引いてばかりの人」になるか「好意があるか分からない人」だと思われて片思いが終わる。
好きな人の態度や反応から自分のアプローチ行動を決めている点でも、恋愛の駆け引きは勝手に成立している
多くの恋愛は、「相手の態度や反応」から「自分の態度や行動」を決めており、恋の駆け引きは、ここでも事実上成立している面がある。
誰もが自然に駆け引きしている、もう一つの理由
恋をすると誰もが自然に駆け引きしてる状態になるのは、好きな人の気持ちを考えて自分のアプローチを調整するからだ。
たとえば、分かりやすい例を挙げると、「今日はちょっと機嫌悪かったからLINEするのはやめよう」と引き、「今日はテンション高ったからLINEしてみよう」と押すイメージだ。
わざと駆け引きする人は、押したり引いたりするのを「恋愛の進捗度合い」に応じて調整し、好きな人の気持ちをコントロールしようとする。
でも一方で、駆け引きしない人も、好きな人の気持ちを考えて嫌われないようにアプローチを調整するのが「引き」になっていて、ある日に好きな人の機嫌を見ながら押すアプローチをすると、結果的には自然に駆け引きしてる状態になる。
これは厳密な恋愛テクニックとしての駆け引きではないけど、好きな人から見ると駆け引きされてるような感覚を持つこともあり、「昨日は話しかけてくれたのに今日は素っ気なかったな」と思うことも多々あるのが現実だ。
自然な駆け引きでもしっかり「押し」ができていれば、好きな人を意識させることはできるのだ。
恋愛テクニックには副作用もある!自然な駆け引きで十分に好きな人は自分を意識してくれる
そもそも、相手の態度や反応を見ないでコミュニケーションを取る人は、恋愛がうまくいかない。
だから、ほとんどの人は好きな人に対して自然に駆け引きをしているような形でアプローチしている現状があり、そこからさらに恋愛テクニックを行使すると、好きな人の印象ダウンに繋がってしまう可能性がある。
なぜなら、駆け引きのような恋愛テクニックには副作用があるからだ。詳しくは後述するが、恋愛の駆け引きのはデメリットがあり、失敗すると片思いがうまくいかない原因となってしまう。
恋に駆け引きが必要だとの主張をする人も間違いとまで言い切れないのだが、駆け引きをしたことで好きな人に嫌われる結果になることを踏まえると、恋愛経験が少ない人は特に慎重な判断が必要だ。
好きな人と自分の気持ちを無視して、相手に揺さぶりを与えようとする行動を取ると、それが「駆け引きだ」と相手にバレた瞬間からあなたの印象が悪くなることは想像に難くない。
恋愛は、駆け引きよりもタイミングが大事
恋愛は「追えば逃げる、逃げれば追う」の心理的な法則よりも、「タイミング」の方が何倍も大事だ。
間の悪い人は恋愛がうまくいかない。駆け引きによってタイミングを調整する考え方もあろうかと思うが、ひとりよがりに恋の駆け引きをしても、タイミングを合わせるのが難しいのが現実である。
恋の駆け引きをする効果は「片思いのはじめ」では微妙と言わざるを得ない
タイミングを外すことで、一つの恋愛が壊れる経験を多くの人がしている。
その結果「恋に駆け引きは必要なものだ」との考えに至るケースを見ているが、それよりも大事だったのは「好きな人のことをよく見ていること」だったはず。
駆け引きするのにも、片思いのころはどこまでその効果が発揮されるか皆目見当もつかない。好きな人が自分にどれだけ興味を持っているか分からないからだ。
押したり引いたりしているつもりでも、好きな人から見た自分が「その他大勢の人のひとり」だとすれば、何も感じない可能性をはらむ。
それなら、好きな人をよく見ていて、コミュニケーションをよくとっておき、いずれくる大事なタイミングを逃さないようにすることの方が、恋愛成就に向けてはよほど大事なことである。
これまで説明してきた「自然な駆け引き状態」で実際には適度な距離感は取れているので、頑張る瞬間を増やす方が、恋愛の苦手な人が取り組むべき課題である。
恋愛に駆け引きするタイプの評価:好きな人は駆け引きされることをどう思うのか
次に、好きな人に好きになってもらいたい恋愛において、駆け引きするタイプの評価が良いのか悪いのかについて解説する。
好きな人は駆け引きされたらどう思うのだろう?
「駆け引きにはデメリットがある」と前述しているけど、このパートを読むとそれがどういう意味だったかはっきりするはずだ。
駆け引きされると好きな人は「ウザい」と思う
誰かが自分にアプローチしてきて、その人が押したり引いたりしはじめて、時に嫉妬させようなんて考えてわけの分からない行動をしはじめれば、ほとんどの人はその人をウザいと思う。
負の感情でも、何か印象に残るなら心を動かされているとも表現できるだろうが、世間一般のイメージで言えば「恋の駆け引き」はしてほしくないものであり、どちらかと言えば駆け引きするタイプの人を評価しないところがある。
要は、ストレートに愛情を表現する恋愛の仕方が好まれるということだ。
駆け引きを代表とする恋のテクニックは、好きな人と付き合う上で「必要なもの」と言えない理由は、好きな人が駆け引きされることを望んでないからだ。
好きな人はまっすぐで綺麗な気持ちで自分を好きになってほしいと思っているし、人の気持ちをもてあそぶようなことはしてほしくない。
特に、駆け引きしていることがバレバレになってしまうような人は、下手に恋愛工学を参考にしてしまうと、好きな人からウザイと思われる確率が高いので注意してほしい。
駆け引きしているのがバレない人とバレる人で広がる「駆け引きの効果」
「駆け引き上手」とは、駆け引きに思われないで好きな人の気持ちを揺さぶることができる人だ。
恋愛が得意ではない人が表面的なところを「勉強」によって得た知識で駆け引きすると、恋愛に対する有効性のところで全く効果が違う。
恋愛に対して不器用なら、あなたの持っている魅力は「誠実さ」や「ひたむきさ」ではないだろうか。
恋に駆け引きが必要ないものだとわかったら、恋愛アプローチが変わってくる人も多いと思うので、駆け引きはメリットとデメリットの両方を見ることが大切だ。
恋愛すると自分に足りないものばかりを見てしまうが、好きになってもらいたいと思うとき、伝えるべきは「自分の魅力」である。
恋愛を上手くいかせたい時は、あなたの魅力を好きな人に伝わるように伝えることが大切で、関係性の面からもアプローチできるように好きな人と仲良くなることが大切だ。
恋に駆け引きが必要だとすれば上の2つがある程度できた後であるため、その前段階で留まっている恋愛では、「好きな人から不誠実に見えて嫌われるリスク」を忘れてほしくない。
駆け引きは、もしバレたりマイナスな視点で見られたら嫌われるところまで行く恋愛テクニックである。
付け焼刃の恋愛テクニックを使うくらいなら、正攻法で好きな人にアプローチする方がずっと印象が良い。
うざい駆け引きの例:間違った駆け引きの仕方とは?
ここでは、うざい駆け引きの例について3つのポイントで解説する。
間違った駆け引きの仕方として参考にしてほしい。
何度も無視する駆け引きはうざい
駆け引きで「無視する」という行動をとる人がいるけど、無視は人の行動の中でも特にひどいものなので、「何度も無視する駆け引きの仕方」は好きな人からうざいと思われる。
極端な駆け引きの仕方をすると、一気に自分のイメージが崩れることがあるため、アプローチにメリハリをつけたい時は、無視したか無視してないか分からないくらいのタイミングで1度だけ行おう。
好きな人は、あなたから無視されたら「嫌われてるんだ」と思うから、今度はあなたが無視されるようになる。
インスタやツイッターなどのフォロー外す駆け引きはうざい
インスタやツイッターのフォローを外す駆け引きも、好きな人からうざいと思われる駆け引きの仕方だ。
特に、何度もフォローしたりフォローを外したりしていると、好きな人から見たあなたの行動は「気持ち悪い」と思われるから十分に注意してほしい。
SNSでの駆け引きは「通知」が行く関係ですぐにうざいと思われるものが多くなっているので、駆け引きするなら「LINE」だけにしよう。
人を馬鹿にする態度で駆け引きする人はうざい
好きな人に駆け引きする人は、ときどき「馬鹿にした態度」で押し引きをしようとすることがあるけど、好きな人への言動が悪くなれば、ストレートに好きな人から嫌われる原因となる。
人を馬鹿にする態度で駆け引きする人はうざいと思われるので、駆け引きしたいなら他の方法で駆け引きするようにしよう。
優しい態度の裏返しの態度はときどきひどい態度になってしまうことがあるので、好意のカモフラージュをする際も合わせて注意してほしい。
追えば逃げる、逃げれば追うという恋愛の法則について
最後に、恋愛の駆け引きを考える人が気になる「追えば逃げる、逃げれば追う」という恋愛の法則について、男女別に補足説明を加える。
女性は好きな人に追わせる努力が必要
詳しくは下の記事でも解説している通り、女性は「追う恋愛」が向かない。
男性は追うと逃げたくなる心理になるため、「駆け引き」は不必要ながら、好きな人に追わせる努力が必要だ。
好きな人に積極的になり過ぎていることが原因で恋愛を苦手にしている人は女性に多いため、距離感の調整というイメージで、好きな人に追わせることにも意識を向けよう。
逆に奥手な人は好意を匂わせることで好きな人に自分を追わせることができるので、下の記事を参考にしてみてほしい。
恋愛の仕方に悩んでいたら、女性の場合は恋の駆け引きよりも「好きな人に自分を追わせるにはどうしたら良いか」を考えよう。
男性は好きな女性を追う努力が必要
男性の場合は、女性と逆で、好きな人を落とすのに「追いかける力」が求められる。
詳しくは上の記事で解説しているのだが、女性は男性よりも好きになるスピードが遅い。恋愛感情にブレーキを踏みやすい女性の感情を動かすのに、いわば「情熱的なアプローチ」が必要なのだ。
ここは上の記事でも触れているのだけど、男性は好きな女性を追いかけることで気持ちを動かしていく力が求められる。女性は男性から追われることで、愛されたい心理が刺激されて、意識してしまうところがあるからだ。
女性は、自分のことを必要としてくれる男性になびきやすい。特に男性の恋愛は駆け引きして「チャラい男、軽い男」と思われないように、しっかり好意をアピールしながら適切に距離を縮めていこう。
誤解しないでほしいのだが、追いかける恋愛は、しつこくしたり、一気に距離を縮めてく恋愛の仕方ではないから、あくまでも関係作りの進展具合と相談しながらアプローチの強度を調整しなければならない。
ガツガツするのが怖いなら、下の記事を参考にしてみよう。どんな態度がマイナスになるのか分かれば、積極的になれるはずだ。
まとめ
今回は「恋に駆け引きは必要なのか」を解説した。
恋は駆け引きしないとうまくいかないものなのか、恋愛の専門家の立場から解説したので、「追えば逃げる 逃げれば追う」という恋愛の法則が気になった時はぜひ参考にしてほしい。
多くの恋愛では自然に駆け引きが成立している面があるため、敢えて駆け引きをやる必要はない。
下手な小細工が恋愛では評価を下げることにつながる可能性を持っているから、特に恋愛経験が少ない人や、付き合ったことがない人は「駆け引きしない」方が良い。
この記事を読むことで、相手とより向き合ってコミュニケーションをとる重要性にも気づいてもらえたら本望だ。
いずれにしても、好きな人に好きになってもらうには、色々な魅力を知ってもらう必要があり、「自分に足りないもの」よりも「今、自分にあるもの」を伝える努力の方が大事だ。
その中でもあなたが好きな人に持った「愛情」は最も大切なアピールポイントとなる。恋の駆け引きをしないと恋愛がうまくいかないということはないから、ぜひあなたの気持ちを心地良い形で好きな人に届けて、自分の気持ちで好きな人の気持ちを動かすようなイメージを持とう。
恋の駆け引きをうまく使える人は、それだけ相手の気持ちが分かる人だ。経験を積む中で、これも自然と身につくものである。
恋愛が苦手な人は、下の記事も参考にしてみよう。
関連記事: