ファンと好きの違いは、よくよく考えると難しい問題だ。
「私、○○くんのファンなの!お話ができて本当に嬉しい!」
こんなセリフを言う女性は、相手が好きなのだろうか?
それとも、応援してくれるただのファンなのだろうか?
誰かのファンになるような “異性へ憧れの目” を向けるのは高校生や大学生くらいの時によくあるように思うけど、恋愛の意味で「好き」という感情と「ファン」という状態の違いは、時々難しく感じるケースがある。
「ファンです」って相手に伝えた時や、そう言われた時は、そもそも「好きとファンの違いって何だろう?」と思うことがある。
そこで今回は、恋愛から見る価値観として「好きとファン」の違いを解説する。
実際、誰かのファンになったらその時々の感情を個別に判断しないと「ファンの気持ちが恋愛感情かどうか」は分からないけど、ファン心理について詳しく解説するので自分の感情がはっきりするきっかけもあると思う。
ファンと好きの違いは確実に存在する!「ファンイコール好き」ではないから、感情の種類を特定しよう!
今回、「ファンと好きの違い」をテーマにしたのは、ファンと好きの違いが確実に存在するからだ。
“ファンイコール好き” ではないから、もし誰かのファンになったり、異性からファンだと言われたら、個別に感情の種類を特定することが大事になる。
なぜファンと好きには違いがあると断言できるのか
ファンと好きの違いが確実に存在していると言える理由は、「リアコ」や「ガチ恋」という言葉があるからだ。
リアコとは、ファンや推しという関係を越えて本気で恋をすることを差し、主に推しの男性を好きになった女性に使われる言葉で、ガチ恋もほぼ同じ意味だが、こちらは推しの女性を好きになった男性にも使われる言葉になっている。
ファンがその対象を恋愛的な意味で好きだったら、リアコやガチ恋という言葉は生まれないことになる。いわゆる “ファンになる気持ち” がリアルな恋と違っているからこれらの言葉が生まれた。
ファンと好きが似ているからリアコなどの言葉ができたとも言えるけど、一般的にリアコしている人や、ガチ恋している人は少数派になっており、「ファンイコール好き」は数式的な意味で一部の人しか当てはまらない。
しかも、彼氏がいる女性や彼女がいる男性、夫がいる女性や妻がいる男性も誰かのファンになることがあり、ここでもファンと好きの違いが存在していることを証明している。
恋人がいる人や既婚者が熱心に推し活しないかというとそうじゃないから、やはりファン感情は恋愛感情と違いがあるということになる。
一般的には、「ファンだから恋愛的な意味で好き」とはならないのである。
ファン感情が恋愛感情になっている人も存在している
今述べたように、ファン活動や推し活をしている人の間にはリアコ・ガチ恋という言葉があるため、ファン感情が恋愛感情になっている人が存在していることも間違いない。
条件なしでファンイコール好きではないけど、誰かのファンになったら恋愛感情を持つことはある。
「好きになっても推しとの恋なんて叶いようがない」
「自分はただのファンなのに好きになるはずがない」
と思うのも恋愛的な感情の種類を特定する上では間違いとなるため、ファンと好きの関係はなるべく俯瞰して判断するようにしよう。
一般的にはファンと好きは違うが、イコールになっている人も確実に存在しており、ファンになるような憧れの人だと、恋をしていることを自覚するまで時間がかかる傾向があるので注意してほしい。
ファンと好きの違いが気になったら、自分の気持ちや相手の気持ちをはっきりさせよう
ファンと好きの違いが気になる時は、「推しを好きになったかもしれない」と思った時や、推しへの気持ちに疑問を持った時、他には異性からファンだと言われた時が代表例だ。
ただ、ファンと好きの違いは、個別に判断しないとリアコ・ガチ恋の可能性もあるので、その時々で感情の種類が違っている。
この記事では、ファン感情と恋愛感情の違いや、好きとファンの違いを解説していくけど、読み進めると「自分の気持ち(=推しに対する感情の種類)」や「相手の気持ち(=ファンと言われた意味)」もはっきりしていくと思うので、ぜひゆっくり読み進めてほしい。
好きとファンの違いは「付き合いたいと思うのか(結婚したいと思うのか)、ただ応援したいだけなのか」で見分ける
一般的に好きな人に対しては、ただ愛情を持つだけに留まらず、関係性の発展を期待し、「付き合いたい」と思う。そこまで思えないでも、「2人で会いたい」「一緒にいたい」と願うのが好きな人だ。
しかし、これがファン感情だった場合は「推しを見ているだけで幸せ」「推しと付き合うなんて考えられない」と思い、関係性の発展は期待せずに好きとは違う感情を持つ。
特に、本当にただのファンになると「付き合うのは違う」「ファンだけど彼氏(彼女)になることは想像したこともない」なんて気持ちを持ち、ファン心理が恋愛感情と結びついてないケースが多い。
ここは、アイドルのファンだと好きとの違いが曖昧になることもあるのだが、アーティストのファンやインフルエンサーのファン、ユーチューバーのファンなどは “好き” との違いを感じやすい。
また、日常で知り合った憧れの人(=推し)にも、恋愛感情じゃない「ファンの気持ち」を持つことがよくあるが、この場合もファンと好きの違いは「相手とどうなりたいか」で感情の種類を特定することができる。一方的な好きで十分に満足できるのがファン心理だ。
ファン感情とは応援したい気持ちで、恋愛感情とは恋しい気持ち
ファンと好きの違いは、その対象に対してどんな気持ちになるかを考えるのが感情の種類が特定する上で最も重要なのだが、ファン感情とは応援したい気持ちであって、恋しい気持ちにならないのが特徴になっている。
ファンだったら恋しい気持ちにならないと言っても、推しに対しては配信・SNS投稿・ライブなどで疑似的に会いたい(関わりたい)と思うことはよくある。
では、ファンと好きとの違いはどこに出るかというと、「(疑似的にも)今日は会えない」と思った時点でどのくらい恋しい気持ちになるかだ。
こういう時に、「本当に寂しい」「すごく残念だと思う」というところで気持ちが止まるのがファンの気持ちなので、恋しくてじっとしてられないような気持ちを持つ場合はファン感情が恋愛感情にまで発展している。
ただ、一般的にただのファンだったら「テンションが下がる」「今日の楽しみがなくなった」という気持ちになるので、やはり推しとファンの関係性はあらゆる意味で遠いのが特徴だ。
関りが薄いと、好意を持ってファンになっても好きになるところまでは感情が動いていかないため、推しは推しであって好きな人とは違う人がほとんどになっている。
誰かのファンになると相手に好意を持つのだけど、そこから恋愛の意味で好きになるにはまた違うきっかけが必要なので、推しとファンの遠い関係ではなかなかそれが生まれないことも「恋愛に発展しない理由」の一つだ。
ファンは推しとの距離が遠いから恋愛の意味の「好き」にはならない人が多い
この記事の冒頭で「誰かのファンになる人は高校生や大学生くらいの時期に多い」と述べたのは、私がこの時期に「〇〇さんのファンなんです」と打ち明けられることが何度もあったからだ。
周りでもファンと言われた経験をしている人が少なからずいて、恋に恋するお年頃では「ファンです!」って言葉は使われる機会が度々あるのだと思う。
私は特にモデルをやっていたりしてないのだが、少し目立つ存在であったこともあって学校内にファンクラブみたいなものがあったから、ファンと言われた経験が普通の人より多いのだけど、私が当時感じた一番の違和感は、「自分がファンだと言ってくる相手をよく知らないこと」だった。
私が経験したケースでは、ファン感情がすごく一方的だったのだ。
同じ学校の女の子であったり、他校の女の子だったり、女友達の友達だったり、それぞれ関係性は違っていたが、自分とは直接関わりがない女の子に「ファンです」って言われる機会がほとんどで、「接する機会の違い」は「好きとファンの違い」を考える時に重要な意味を持っているように思った。
ファンと好きの違いについては「どのくらい好きか」で判断しようとする人もいるけど、それは少しナンセンスだ。持っている感情の大きさより、むしろ「距離感」の方に注目する方が感情の種類は分かりやすい。
恋愛感情は、ある程度の関わりの中で育む側面を持っているため、推しとただのファンという関係では恋愛感情に発展しない人が多いのだ。
逆に言うと、誰かへのファン感情は、普段の生活で接することができない人に持ちやすく、距離感があるからこそ憧れる側面がある。
推しと仲良くなったら憧れがなくなるわけじゃないが、推しと遠い距離の自分を意識した時に「恋愛感情を持っている」とはなかなかならないのが通例ではある。
好きな人には期待するが、ファンの人は推しとの恋愛を最初から諦めてる
好きとファンの違いを考える時に、「その対象を恋愛対象として見ているかどうか」も大きい。相手への意識に好きとファンの違いがあるのだ。
ファンは最初から推しと付き合う未来を諦めているが、恋愛感情は付き合う期待を持たずにいられない
ファン感情には好意が含まれているため、恋愛対象として見た場合は特に関係性がなくても好きになってしまいそうなイメージがあるが、ファンの人は押しとの恋愛を最初から諦めているのが特徴で、推しを恋愛対象として見てない。
ここは深層心理でそう思ってる場合も含まれるから、意外と多くの人に当てはまってる部分だ。諦めてると言ってもそこまでネガティブな意味ではないのだが、ファン心理は「妄想」に留まりやすくて、実際に推しと出会うために努力する人はほとんどいないことからも、相手への期待がほぼないことが分かる。
極端に言えば、ファン感情は本当に一方的なのだ。
恋愛感情は双方向的になることを望むけれど、ファンは推しが自分のことを好きになってくれることを望んでるわけではなく、単純に自分が(恋愛的な意味以外で)好きだから応援している。
ここに、好きとファンの違いが色濃く出ている。
もし好きだったら付き合う未来への期待はどうしても持ってしまうものだし、「遠くから見ているだけでもいい」と思っても、好きな人が異性と仲良くしていると嫉妬してしまう。
ファンは嫉妬しないとまで言わないけど、多くの人は「推しとは住む世界が違う」と思っているので、推しの恋愛まで応援できるタイプもたくさんいる。
芸能人の結婚報告では、ファンの温かい言葉がよく並ぶけれど、ファン心理では「推しの幸せ」を純粋に願えるから、結婚という “誰かのものになること” さえも喜べる。
これが好きな人だったら簡単に相手の幸せだけを願えないから、「誰かと付き合う」「誰かと結婚する」となったら精神的ダメージは計り知れない。
このことからも、好きとファンの違いは明確に解説可能だ。
好きとファンの違いは「人に言えるかどうか」も大きい!ファンなら推しを宣伝したいけど、好きな人のことは内緒にしたい
好きとファンの違いは、「人に言いたくなるか、内緒にしたくなるか」でも違いがある。
ファンなら人に言いたくなるが、好きな人は内緒にしたくなる
ファンは推しを見てはキャーキャー言う姿が印象的だけど、そこには “自分の好き” に対する恥じらいはない。
言葉を選ばずに言えば、ファンの気持ちはどこか気軽で、SNSに投稿したり、リアルの会話でもファンは推しのことを熱く語る。
それは普通のファン活動として何ら問題はなく、推しはそんなファンたちの活動をありがたく思っているわけだから、むしろウイン×ウインの関係である。ファンは推し活でエネルギーをもらい、推しはファンたちの推し活によってさらに有名になっていく。好循環と言って良いだろう。
ただ、好きとファンの違いという意味では、「人に言いたくなるか、人に隠したくなるか」は非常に大きく、多くの場合で恋愛感情を持った相手のことを大っぴらに話す人は見たことがない。
本気で好きな人に対してはキャーキャー言わないし、応援したい気持ちを持ってもオープンに活動しないのである。
好きだったら恥じらいの気持ちがあるから、たとえばある先輩のファンだったらそれを本人に言うことができるけど、好きだったら好意を持っていることを知られないように振る舞う。
ここは、ファンと好きの違いでも大きなポイントだろう。
好きとファンの違いの見抜き方
もし自分の中の気持ちとして「好きかファンか」に迷うことがあったら、「人に言いたくなるか、人に内緒にしたくなるか」を考えてみよう。
ある人のファンであることを誰かに言うのも恥ずかしいと思うことがあるから問題はやや複雑だが、好意を持っていることを隠したいと思ったら恋愛感情だから、恥ずかしがり屋の人もある程度はこのポイントで感情の種類を把握することが可能だ。
逆に、誰かからファンだと言われた時に「それって恋愛の意味もあるの?」と思ったら、どれくらいオープンにファンであることを伝えてくるか見てみるとファンと好きの違いがはっきりする。
恥ずかしそうに伝えてくるなら恋愛的な好きを含んでいる可能性があるし、ある程度仲良くなってから「実はファンだった」と言うなら好意のアピールだろう。
好きとファンの違いに関する「よくある質問」
最後に、好きとファンの違いに関して「よくある質問」と「答え」を解説する。
気になる内容も含まれていると思うので参考にしてみよう。
ファンから好きな人に変わることはある?
ファンから好きな人に変わることはある。
リアコやガチ恋をしている人は、一目惚れだけがそのきっかけではなく、「推し活してる間に本当に好きになった」とか「ファン向けの動画を見て本気で好きになってしまった」という人も多く、推しから好きな人になるケースは珍しくない。
好きとファンの違いが曖昧だと感じる理由は、ファンから好きになることがあるからでもある。
推しからアプローチされたらファンは好きになる?
推しからアプローチされた場合、特にそれが本気のアプローチだったらファンは好きになる確率が高い。
「ファンは推しのことを恋愛対象として見てないところがある」とこの記事で述べているが、推しからアプローチされたら恋愛対象として見ることになり、最初からファンになるような相手だったらそのまま好きになってしまう。
ここは、彼氏がいるとか彼女がいるとか、夫がいるとか妻がいるなどの事情を超越することもあり、憧れの人との出会い自体がヤバイ中、好きになられてアプローチされる状況は、抗うことができない運命さえ感じる。
もちろんファンだったら100%落とせるわけじゃないけど、推しにとってファンとの恋愛は勝ち戦だ。
推しからアプローチされるなんて夢みたいな話だが、下の記事で取り上げているように、実際にファンから付き合った経験をしている人もいるし、推しと結婚した人もいるから現実にあり得ない話ではない。
ファンと言われたら好きって言われたってこと?その後はどうしたらいい?
この記事で解説してきた通り、ファンと言われたら好きという意味ではない。
では、もしファンと言ってきた女性や男性が気になったらどうすれば良いかと言うと、あなたの方からアプローチしていくと良い。
その際は、自分を好きな人扱いするのではなく、もっと素朴に仲良くなっていくのがコツで、「話しかける」「連絡する」などのコミュニケーションに頑張っていくと、ファンだった相手があなたのことを少しずつ「本当に恋愛する相手」として見始めていく。
もともとファンになるくらい好きだった人だから、あなたがきちんと誠実にアプローチすれば成就する可能性が高い恋だから、ファンと言われたら自分から動いていこう。
推しは自分のファンと恋愛しないらしいけど、何で?ファンと付き合わない心理について
推しが自分のファンと恋愛しない理由は以下の5つだ。
推しがファンと恋愛しない理由
- 自分のファンを平等に扱うため
- 自分の活動を見て好きになった人ではなく、自分を一人の人間として好きになってくれた人と恋愛したいから
- ファンだと言われたらファンとして見るようになり、異性として見れないから
- ファンと付き合うとアンチが湧くから
- ファンと付き合ったら別れた後にストーカー化する可能性があるから
ファンがいる人は、ファンと付き合わない恋愛観を持っている人が意外と多いのだが、その理由は上の5つで概ね説明できる。
ファンと言われた時点で「もう女として見れない」「もう男として見れない」という人も意外と多いので、推しと出会ったらアプローチの仕方は意外と難しい。
重いファンだと思われるほど恋愛したくない心理は高まるので、もし推しと会ってファンだと言うなら軽く触れるくらいにした方がいいかもしれない。
ファンを好きになったら推しはどうする?
ファンを好きになった推しは、そのほとんどが積極的に行動してくる。
恋愛相手が自分のファンだと知っていれば、脈ありなのは確定的だし、自分のことも良く知っているので、奥手な人も含めてファンを好きになった推しは積極的だ。
連絡先がわからないとか、1回会っただけでもう会えないとなると事情は変わるけど、連絡が取れる状況なら基本は連絡してくるのが「ファンを好きになった人の心理」である。
ファンではないけど好きって感情は存在する?
ファンと好きの違いがある以上、「ファンではないけど好き」という感情も存在する。
こういう人は、ファンになる前に一目ぼれしていたり、その人の活動内容を知らずにプライベートで出会って好きになっていたりと、意外と様々なパターンがある。
普通にテレビやユーチューブを見て好きになるパターンもあるし、好きになったからと言って「ファンじゃない」というのは矛盾しない。
応援したいのではなく、出会いたい、付き合いたいと思ったら、それは恋愛感情出会ってファン心理とはかけ離れている。
このように、ファンではないけど好きって感情は “普通の恋愛感情” として存在しているので、もし経験したら変に思う必要はない。
まとめ
今回は恋愛における「好き」と「ファン」の違いを解説し、よくある質問にも回答した。
ファンと好きの違いは簡単に説明できる内容ではなかったから、理解するのも大変だったかもしれないけど、最後でも書いてる通り、ファンから好きになったりすることもあるし、感情のことだから曖昧で微妙だ。
ただ、普通にファンになるだけなら一方的かつ無責任に自分の好きの対象にするのが “推し” なので、推し活の楽しみ方は人それぞれで良いのだろう。
自分の中の感情や、誰かの感情が気になった時にこの記事が役立てばうれしい。
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