彼氏や彼女が欲しいと思うか、いらないと思うかは、意外と各個人で大きく価値観の違いが出るところだ。
付き合う友達や知り合い関係の恋愛の状況でそれぞれイメージの違う「世間の恋愛」だが、今回は内閣府が調査した結果から「恋人がほしい人の割合と恋人がいらない人の割合」をまとめてみたい。
実はこの調査により、「恋人がほしい」と思う人の割合は全体で6割くらいに留まっていることが分かり、約4割の人は恋人がほしいと思わないことが判明した。
この記事では、内閣府の実施した「結婚・家族形成に関する意識調査」から、世代別・男女別の「恋人がほしい人の割合」と「恋人がいらない人の割合」を紹介するので、今の若者の恋愛観を見てみよう。
この調査では、恋愛に苦手意識があるか・ないかに「コミュニケーション力」が大きな影響を与えていることも判明しているので、恋愛に興味がある人は、条件別に算出した「恋人が欲しい人の割合といらない人の割合」にも注目してほしい。
この記事の後半では、デート経験がない男性の割合とデート経験がない女性の割合を紹介し、恋人がいらないと思う人の割合との相関性についても解説している。
内閣府調査により「恋人がほしい人の割合」と「恋人がほしくない人の割合」が発覚!
内閣府が2015年7月に発表した「結婚・家族形成に関する意識調査」によると、20代から30代の未婚男女のうち、いま現在恋人がいない人の中で「恋人はほしくない」と答えた人の割合が37.6%にも及んだ。
恋人がいらない人の割合は4割弱もある
この調査は、全国の20歳から39歳の男女7000人を対象に行われ、2643人から回答を得ており、非常に大規模な調査となっている。
この調査では、いま現在恋人がいない男女の内、恋人がほしいと思ってる人の割合は60.8%で、「恋人をほしがるのが普通」とか「恋人がいないのは寂しいと思うのは当たり前」といった感覚は、常識とまでは言えない状況なのが確認された。
37.6%の男女は「恋人はいらない」と回答している以上、「恋人を求めるかどうか」は個人的な価値観に依存すると言う方が正しい表現である。
下に表をまとめたので、あなたの性別と年代のところを確認しておこう。
恋人がほしい | 恋人がほしくない | 無回答 | |
---|---|---|---|
全体 | 60.8% | 37.6% | 1.6% |
男性 | 61.5% | 36.2% | 2.2% |
20代 | 58.1% | 39.7% | 2.2% |
30代 | 66.1% | 31.6% | 2.3% |
女性 | 60.1% | 39.1% | 0.8% |
20代 | 57.6% | 41.1% | 1.3% |
30代 | 64.8% | 35.2% | 0.0% |
彼氏がいらない女性の割合が最も多いという結果
この調査では、恋人がほしいと思う人の割合が最も少ないのが20代の女性だと判明した。
恋愛したくないと考える人は、枯れてる系・仙人系・草食系と言われ、最近増えてきているのが盛んに報じられるところだけど、確かに10代や20代の若い世代で「恋人はいらない」と思う人が増えており、「彼氏がいらない女性」だけでなく、「彼女がいらない男性」も多い状況なのが分かった。
肌感覚では「仙人系男子」が話題を集めているが、実際の調査結果では、むしろ「枯れてる女子」が多いと言える結果になったことは、驚いた人がいたかもしれない。
ただし、全体との違いはわずかで、20代女子だけ突出した数字になったわけじゃない。恋愛を避ける枯れてる系の人は男女に違いがなかった。
男子の方が恋愛で積極性を求められているので、草食男子はメディアでテーマになりやすいだけで、女性も恋愛を求めてない人が確実に増えている。いま彼氏がいらないと思ってる女性は「普通」の範疇だから、「変かな?」「異常なのかな?」と心配する必要はない。
彼女が欲しいと思う人の割合は、1位が30代男性
最も恋人がほしいと答えた世代と性別は「30代の男性」で、割合は66%を超えた。
全体に比べて10%ほど高い数値となっており、30代男性は頭一つ恋愛へのモチベーションが高いという結果だった。
結婚を意識した人が多い30代は、その前段階である「恋人を作りたい」と思うモチベーションも比較的高く、世代特有の価値観もあるとは思うものの、恋愛結婚が中心の現在では「恋人がいないと結婚の可能性すらない」と思う人が増える。
私の周りでも、30代で結婚していない人は恋人へのモチベーションが高いと感じるところだ。
30代女性も64.8%が彼氏がほしいと言っており、30代男性との差は1.3%だった。一般的にどの調査を見ても結婚したいと思う人の割合は女性が高い傾向があるけれど、この調査では30代男性が30代女性よりも恋人が欲しいと思っていることが確認された。
この調査では、恋人が欲しいと思うのか恋人はいらないと思うのかに「社交性」と「自己効力感」の高低が影響を与えていると仮定して調査した部分があったので、次で結果を紹介する。
恋愛に苦手意識があるか・ないかは「コミュニケーション」がカギ
今回メインで扱っている結婚・家族形成に関する意識調査では、「社交性が高く、自己効力感の高い人」が恋愛に肯定的な見方をしていることが分かった。
なお、社交性と自己効力感については以下のように本文で説明されている。
調査票の「あなたご自身のことについて」の回答結果をもとに因子分析を行い、「社交性」(対人関係への積極性)と「自己効力感」(自分が必要とされる行動をとれるかどうかについての評価)の2因子(特性)を抽出し、点数化した。
その上で、各回答者における「社交性」と「自己効力感」の平均値を高・中・低の3群にレベル分けし(各群に属する人は約3分の1ずつ)、高・低の2群の結果を示している。
表にまとめたので、見てみよう。
「コミュニケーション能力」別の恋人がほしい人の割合と、恋人がいらない人の割合
恋人がほしい | 恋人がほしくない | 無回答 | ||
---|---|---|---|---|
男性 | 社交性・高 | 69.2% | 29.8% | 1.0% |
社交性・低 | 52.6% | 44.0% | 3.4% | |
女性 | 社交性・高 | 77.1% | 21.9% | 1.0% |
社交性・低 | 51.5% | 48.5% | 0.0% | |
男性 | 自己効力感・高 | 74.3% | 23.9% | 1.8% |
自己効力感・低 | 52.1% | 44.3% | 3.6% | |
女性 | 自己効力感・高 | 67.2% | 32.0% | 0.8% |
自己効力感・低 | 51.3% | 47.8% | 0.9% |
単純な質問である「恋人がほしいと思うのか、それとも恋人がいらないと思うのか」という問いではわからなかった内容が、今回の質問ではかなり明確になっている。
上の表を作成して一番に思ったのは、結局「苦手だから恋愛したくない」と思う人が多いという点だ。社交性が高く、自己効力感の高い人は「恋人がほしい」と思う人の割合がかなり上昇する。
コミュニケーション力の高い人は、恋愛嫌いにならず、彼氏が欲しい・彼女が欲しいと思う割合が男女ともに高かった。
彼氏がいらない女性、彼女がいらない男性の根本的な理由は「コミュニケーション能力」の低さだった
恋愛は一重に「素晴らしいもの」であると言うつもりはないが、下の記事で紹介しているように「恋愛から学べること」もあるから、敢えて突き放すのは少し違うかなと思う部分がある。
好きな人と一緒に居られて、愛される喜びを知る恋愛は、やはり「幸せを感じることのできる活動」と言える。
無理に恋人がほしいと思うのではなく、接していくうちに好きになるような素敵な人と出会って、「ずっと一緒にいたい」と思えるのは、誰にとっても素晴らしいことだろう。
何度もこのサイト「恋愛のすべて」で伝えているように、「恋愛は究極のコミュニケーション」だ。コミュニケーションが苦手な人は恋愛を遠ざけてしまうことがデータ上でも証明されているので、異性と円滑にコミュニケーションをとれるように経験を積むことは大事なことになっている。
簡単に言うと、コミュニケーション能力が上昇すれば、自然に彼氏が欲しい・彼女が欲しいと考えるようになり、あなたの人生がより豊かになる可能性が高まるということだ。
はじめから得意である必要はないが、恋愛を遠ざけて苦手意識を強めてしまうのは非常にもったいない。
恋愛に限らず、勉強やスポーツでも、苦手意識ができるとそれを遠ざけてしまうのが当たり前だが、恋愛は異性からモテないといけないのではなく、好きになった人から好きになってもらえればそれで良いものだ。
自分が素敵だなと思う異性とのコミュニケーションでは、自分の心を守るように「恋愛はしたくない」「恋人はいらない」と考えて無条件に冷めた気持ちで接するのが本当にもったいない。
結局、素晴らしい恋愛は素晴らしい出会いによって成立するところもあるから、自分から積極的に行けない人は、せめて待ちの恋愛ができるように、少しずつでもコミュニケーション能力を磨いていこう。
自分から恋愛を遠ざけることがなければ、人生経験が積み上がる中で必ず異性とのコミュニケーション能力は上昇する。意図的に磨こうとすれば、さらにその確率と上昇幅が上がる。
自然に異性と接する中で相手に持つ気持ちが友情から恋愛感情に変わるなら、今は「彼氏はいらない」「彼女はいらない」と思っている人も、自然な気持ちで恋愛できるはずだ。その確率を高めるには、可愛い・かっこいいと思った異性と友達になるコミュ力が大事になる。
今回紹介した調査によれば、恋人を作る能力があれば恋人を求めることがわかったので、「恋人ができない」という問題と真正面から向き合えない場合でも、「もし素敵な人と出会えたら楽しい会話ができるようにコミュニケーション能力を磨こう」と思って行動するだけで恋愛は開けてくるので、ちょっとずつでも努力できると良い。
恋愛を排除することなく、できる範囲で努力することで、特別なことをしなくても素敵な恋愛と巡り合う人はたくさんいる。
彼氏がいらない女性心理、彼女がいらない男性心理
今回は、恋人がほしい人といらない人の違いについて「コミュ力」をメインにその理由を紐解いたが、当然ながら「彼氏がいらない女性心理」や「彼女がいらない男性心理」は様々な要因が絡んでいる。
「なぜ恋人がいらないのか」を深く知りたい人は、下の記事で詳しく解説しているので確認してみてほしい。
恋人がいらない人の割合は、今後も上昇を続ける傾向がほぼ確定的
実は、恋愛に絡む各種指標は、ほぼすべての調査で「悪化」の一途を辿っている。
下の記事は、当サイトでこれまでにまとめてきた記事だ。
上に挙げた記事のすべてで、「今は恋愛しにくい時代」だということが証明されていて、普通に暮らしているだけじゃ恋愛できない時代になってきた。
彼女いらない・彼氏いらないと本気で思うなら特に気にしなくても良いことだが、もし心のどこかで恋人が欲しいと思うなら、特別な行動が彼女を作る・彼氏を作るために必要になってきているので、「焦る焦らない」に関わらず恋愛したいなら具体的に対処法を取る方が良い。
様々な要因が絡みつつも昔みたいにみんなが恋愛したいと思っていない時代だから、「何で自分だけ…」と思う場合は自分から掴みに行く行動が重要な意味を持っている。
ネガティブにならずにポジティブでいるには「行動を取る」ことが大事なので、自分なりの解決策を模索していこう。
例えば、マッチングアプリは一つの選択肢である。
デート経験がない男性の割合は4割!「恋人いらない」と思う人も、「デートしてみる」だけで恋愛観が変わる可能性がある
令和4年版男女共同参画白書によれば、20代男性の39.8%がデート経験がないと答えていて、20代女性についても25.1%がデートの経験がないと答えている。
このような状況で彼氏がほしい・彼女がほしいと思うのは、叶わない夢を見る感覚に近く、デート経験がないままに大人になった人は、恋愛を諦める発想もしがちだ。
デートしたことある | デートしたことない | |
---|---|---|
20代男性 | 60.2% | 39.8% |
30代男性 | 65.9% | 34.1% |
20代女性 | 74.9% | 25.1% |
30代女性 | 79.5% | 21.5% |
20代でデート経験がない人は、10年経っても5%以下しかデートデビューできない
しかも、この調査をよく分析してみると、20代でデート経験がない人の割合と30代でデート経験がない人の割合の差は男性で5.7%、女性は3.6%しかなく、10年経っても男女平均して5%以下しかデートデビューできない計算になる。
実際、今の20代が30代になったらさらにデート経験がない人の割合が上昇していると考えられており、「時間」があなたの恋愛事情を変える可能性が非常に低いことを想定しないといけない状況である。
この事実は、少しでも恋愛や恋人に興味がある人にとって厳しい現実を突きつけているけれど、見方を変えると20代男性の「彼女いらない割合」と「デートしたことない割合」は酷似しており、デートデビューすることができれば恋愛観が変わることも示唆している。
つまり、デートしてみるだけでその後の恋愛事情が変わる可能性があるということ。
「恋人いらない」と思う人も、デートしてみることにはチャレンジしてみよう
高校生の頃からずっと恋愛に興味がない人なら、恋愛以外の方法で人生を充実させることに何の否定的意見もないのだけど、もし「恋愛に縁がない」「モテないから恋愛諦めた」という人は、「デート経験をしてみる」だけでも頑張ってみると、ご縁によっては恋愛の幸せを掴める可能性がある。
特に、彼女を諦めてる男性については、「デートすらしたことない」という状況を抜け出すだけで可能性が広がるので、「彼女を作る方法が分からない」みたいな漠然とした悩みというか、コンプレックスを持つくらいなら「デートしてみるだけでも頑張ってみよう」と少しでも思って行動できれば、1年後2年後に素敵なご縁があるかもしれない。
デートしたことない男性の割合と、デートしたことない女性の割合が10%以上の差ができてる原因は、1人の男性が複数の女性をデートに誘っているからだ。
女性は誘われ待ちをしていても異性から誘ってもらえる確率が現実的にあるけれど、男性は自分から誘えない場合に恋愛の活路がない状況となる。
デートしたことない人生が男としてつまらない人生だとは思わないが、もしちょっとでも彼女がほしいと思ったことがあったら「デートに誘ってみる」「デートできる関係の女の子を探す」だけで変わってくるので、頑張ってみてほしい。
女性の場合に関しても、もちろんデートに誘うことが(恋愛的に)枯れてる人生を抜け出すコツになるので、1人しかデートしたことない・2人しかデートしたことないという人も含めて努力できると良い。
その具体的な方法については下の記事を参考にしてみよう。
彼女いらない、彼氏いらないと思っても、仲がいい異性を作っておくと、急に結婚願望が芽生えた場合でも対応できる
「恋人が欲しいと思うかどうか」は、同じ人でも時期によって考えが変わることがある。
そこに最も影響を与えているのが「結婚願望」だ。
結婚願望は、女性の場合は20代前半から半ばで一気に育っていく事が多いが、男性は20代後半にならないと育たないケースがあり、30代になって急に結婚したくなる人がそこそこいる。
今の時代は恋愛がなくても毎日を充実させる方法がたくさんあって、一人で生活していてもSNSで多くの人と繋がっていて寂しさを感じない。
しかし、「子供がほしい」「家族を持ちたい」「人生をともに歩むようなパートナー的存在の人がほしい」と思った際に前提になるのは “恋愛” である。
結婚願望は精神的に成熟していかないと育たない感覚なのに、今は恋愛を抜きにした生活も充実させることができるから、恋愛が苦手な人は「恋愛はなくてもいい」と考えるけど、もしこれから年齢を重ねる中で結婚願望が出てきたら、恋愛してこなかった自分を後悔する可能性がある。
それならせめて、仲がいい異性を作る程度のことはやっておく方が良い。2人でご飯に行ったり、遊びに行くような異性の友達を定期的に作っていれば、いざ結婚願望が芽生えて少し恋愛に頑張ってみようと思っても、対応できる。
彼氏いらない、彼女いらないと思っても、「友達でいい」と思って異性の友達を作るタイプは、恋愛観が変わったり、結婚願望が出てきた時にしっかり幸せを掴めるので、デート未経験を卒業することと同時に「特別に仲がいい男友達や女友達を作る」ことは、10代から20代でやっておいた方がいいことだ。
恋人はいらないと思うこと自体は変だと思ったり、異常と思う必要はないので、異性慣れだけはしておこう。
まとめ
今回は内閣府調査をもとに「恋人がほしい人の割合」と「恋人がいらない人の割合」について詳しく解説した。
恋愛に苦手意識を持たないようにするためには「コミュニケーション力」がカギになっていることがデータ上で分かっているので、気の合う人との出会いは自分から求めてみよう。
楽しく会話した先に恋愛があるなら、幸せも感じることができる恋愛になると思う。
経験できず苦手意識ができるとどんどん「恋愛」を遠ざけてしまう。悪循環になってしまうと自信も失いやすいので、「恋人を作る」というモチベーションは置いておいて、素敵な人とのコミュニケーションは日常で取れるように環境作りだけは行っておこう。
人は年齢を重ねる中で恋愛観や人生観が変わる。急に結婚に興味がわく年齢もあるから、ライフプラン(人生設計)を考えないと後悔する可能性がある。
恋人がいらないと思っても全然良いけど、「一人は寂しい」「孤独はつらい」と思った時に恋愛のことがぜんぜんわからない状況ではスタートラインが遠すぎるので、「デート経験をしておく」「仲がいい異性の友達を複数作る」くらいのことは、みんながやっておく方が良いことである。
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