あなたは最近、いつ他の誰かを抱きしめただろう?
あなたは最近、いつ他の誰かに抱きしめられた?
そのとき、どんな気持ちになっただろう。何を感じただろう。
恋愛のすばらしさを語るとき、絶対に必要な要素は「気持ち」だ。でも、気持ちを伝える手段はいくつかに限られていて、何処かもどかしい。
気持ちや愛情を伝える手段は、我々恥ずかしがり屋の多い日本人に取って、少し難しい問題だと思う。これを書いている私だって十分に気持ちを言葉や行動に表すことができていないのだと思う。
あなたが「彼氏や彼女に何も言えないとき」、それは相手が辛かったりきつかったりするときなども含めて、言葉にできない想いは「抱きしめる」という行動であなたの熱も気持ちも恋人に伝えてみてはどうだろう。
片思いの人でも参考にしてほしくて、今回は付き合っていない友達関係で私のエピソードを綴る。あなたにもこんなタイミングがあるかもしれない。
この記事では、言葉よりも大切な「気持ちを伝える手段」のお話を、恋愛コラムとしてお送りしたい。
あなたは今、好きな人から何も言わずに抱きしめられたら、何を想うだろう?
あの日、友達の女の子に抱きしめられた経験を一生忘れないと思う
私が抱きしめることの重要性をちゃんと認識したのは、多分大人になってからだ。人並み以上の恋愛をしてきて、色々なことを知ったつもりでいたけど、ある日友達の女の子に抱きしめれて、正しく「抱きしめられること」の意味を知った。
当時、私は嫌なことが続いて、その愚痴を聞いてもらうためにその女友達を飲みに誘った。
「モヤモヤするから話聞いてくれ~。飲み行こうよ~」
仲の良い女友達で、恋愛の雰囲気はない。後からも深く認識することになるけど、お互いに異性として意識していた関係ではなかった。
「珍しいね?そんな忙しくないからいいよ。」
二つの言葉はうろ覚えだけど、こんな会話から飲みに行くことになった。
別にそんな愚痴るつもりはなかった。ただ、気分を変えようとしてた。恐らく、そんな気持ちで誘った。
私は基本自分のことをグチグチ話すのが好きじゃない。どうせなら前を向いていたい。嫌なことがあっても辛いことがあっても、違う気分に上書きして頑張りたいのが私である。
そんな考え方だから、その女友達と飲んでも結局グチらしいグチはなく、どちらかと言うと笑っていた。
「何とか頑張れそうだよ、ありがとう」
こんな言葉をお礼のつもりで言ったら、
「でも空元気でしょ?やっぱりいつもと違ったもん」
と、図星をつかれて、少し気恥ずかしくなって店を出た。
気分の上書きだから、少し無理やり自分の考えてることを曲げるように自分自身をコントロールする。「空元気」が本当のところではないのだけど、大きな意味では彼女の言ったことはある種の正解だった。
「普通なつもりだったのに、やっぱちょっと変か(笑)」
私は笑おうとした。また明日から頑張ろうと思ったから。それは紛れもなく本音のつもりだった。
「こういう時は、抱きしめられると落ち着くよ」
そういうと、彼女は私を抱きしめてくれた。急のことで驚いたけど、リアクションできずにされるがまま。何と言っていいか分からなくて…、だから動けなかった。
焦っていたのかもしれない。「早く処理していつもの自分に戻らないと」と。
恋愛の雰囲気はないから、これは友達として抱きしめられただけ。
でも、嫌な気持ちになるどころか、本当にそれは心地よかった。
男でも、抱きしめられて思うことは少し乙女チックなのかもしれない。
友達の女の子に抱きしめられる。
何秒だろう?数十秒かな。数分くらいに感じたけど、現実の世界ではおそらくそんなに長い時間抱きしめられたわけではなかったと思う。
彼女の言うとおり、何だかすごく落ち着いた。
もう大丈夫だとか、また頑張れるとかそんなんじゃなく、心が軽くなった。
そんな体験だった。
泣きそうになる自分に気が付いたところで、「ありがとう」って解いた。
彼女は笑ったから、また少し安心した。
好きでもない子に、好かれているわけでもない子に、抱きしめられるだけでこんな気持ちになることが当時の私に取っては本当に驚くべき事実だった。
当然ながら女の子から抱きしめられた経験は初めてじゃないし、それなりの経験をした後だったから、なおさらそう思った。
恋仲ではないとはいえ、彼女との信頼関係は深かったので、それがきっかけで雰囲気は変わることなく、ちょっと不思議な経験は、後にお互いのいい思い出になった。なぜ彼女は抱きしめたのかは本当のところでは分からないけれど、プラトニックな関係は最後まで継続した。
何もかける言葉が見たらない、そんな時に彼女を抱きしめた
抱きしめた経験談の中にも、私がずっと忘れない記憶がある。
当時の私は、彼女が気になる存在として意識し始めた時だった。好きだと言う気持ちに発展する前だったが、もしかしたら彼女はそういう雰囲気も感じ取っていたかもしれない。まだ付き合う前のお話。
仕事のことで悩んでいた彼女は、ふとした話から一気に気分を落としてしまって、言葉のない状態が数分続くような、珍しくその日は会話の続かない夜だった。
それでも付き合う前ということもあり、彼女は何とか普段のテンションに戻ろうとするけど、どうしてもうまくいかない。私は彼女と話をしながら痛々しい気持ちになった。
彼女の提案で「気分を変えよう」と、カラオケに行くことになった。
私はそこまでして頑張らなくていいと思ったが、前向きに頑張ろうとする気持ちは応援してあげたくて、誘う彼女が可愛かったから賛成した。
カラオケは多少なりとも盛り上がった。盛り上げようとしているから当たり前か。
私たちの作戦は半ば成功を迎えようとしていたのだが、歌は色々なことを思い出させる。
きっかけは何だったか定かではないけれど、反動みたいのも手伝って一気に盛り下がる瞬間を迎える。
「もう、仕事やめようかな…」
突然の真剣な顔に、私は言葉を失ってしまった。一瞬で伝わる空気はそれまでの空気とは明らかに違って、ギャップは私から冷静さを奪う。
落ち込んだりはしゃいだりして、彼女の本当の気持ちを見失っていたから「正解」が分からなくて、何も言えなかった。付き合っていたわけじゃなかったから、正解以外を口にするのに勇気が必要だった。
タイミングを逃すと、沈黙がやってくる。
重い話には軽快なリズムがないから、次のタイミングがいつやってくるのか見当もつかなかった。
「もう、どうしたらいいか分かんないよ…」
私には彼女が泣いているように見えた。
言葉を無くした私は、どうするべきか考える前に彼女を抱きしめていた。
言葉にはならない想いだったけど、何かを伝えようとしてた。
抱きしめたら逆に落ち着いて、「ああ、こんなに小さな体で頑張っているんだなぁ…」そう思ったことは未だに覚えている。
彼女は私に抱きしめられながら、数分泣いていた。
ゆっくりと流れる時間は、本当は何か言うべきだという感覚と、次のアクションを探す気持ちを押さえて、彼女のことをただ心配してた。心の底から勇気付けたかった。
力になってあげたいという気持ちは、既に気まずさを感じる気持ちの数倍になっていて、そこから先のことは覚えていない。
でも、後に彼女が私を好きになってくれたきっかけはこのときが大きかったと聞いた。
何も言えないときは抱きしめてあげる、言葉よりも大切な気持ちを伝える手段
「何も言えないとき」って、誰でも経験しているんじゃないかな?
少なくても人生では何度か言葉を失う瞬間があると思うし、何を言っても不正解に感じる瞬間がある。
抱きしめるには関係が必要だけど、純粋な気持ちを向けられる関係なら、抱きしめてあげるのも一つの正解なのかもしれない。
人のぬくもりは気持ちを癒す。
抱きしめられる体験も、抱きしめる体験も、どちらも私には癒しがあったし、素敵な時間だった。
今、私の彼女がどうしようもない問題で落ち込むなら、抱きしめてあげると思う。
仕方なく溢れる涙があるなら私の胸で泣かせてあげたい。
時に言葉は我々のどんな気持ちも表さない。
言葉は不自由だ。特に恋愛の世界ではなおさらそれを感じる。
好きだ。
愛している。
言葉が気持ちに追いつかなくて、表現できない気持ちはどう伝えたらいいだろう。
もし、あなたが言葉よりも大切な気持ちを伝える手段に困ったら、相手を抱きしめてあげよう。
もし、あなたが言葉以上の気持ちを受け取りたいなら、抱きしめてもらおう。
ただそれだけで気持ちは伝わって、心が軽くなって、落ち込んでいても幸せな気持ちになれる。
何も言えないときは、好きな人を抱きしめる。
カップルなら、恥ずかしがる必要はない。
まとめ
今回は「何も言えない時は好きな人を抱きしめる、言葉よりも大切な気持ちを伝える手段」と題し、恋愛コラムを綴った。
気持ちを伝える手段は、言葉だけではない。態度や雰囲気でも伝わるものだ。
でも、言葉にできない気持ちが伝わらないのも事実で、行動は大切なキーワードかもしれない。
何も言えないときは抱きしめてあげる。
言葉がいらない時は抱きしめてもらう。
できたらいつもハッピーでいたいけれど、落ち込む時や悲しい時があるなら、言葉よりも正確にあなたの気持ちを伝えてくれるかもしれない。
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